ガリバーやビッグモーターといった「超大手車買取店」では、売買契約を結ぶときに「クレームガード保証」という保険のようなものを勧められることがある。
しかしクレームガードという仕組みそのものが、実際にどのようなものなのか気になるだろう。
それもそのはず、一般的な生活をしていく中で「クレームガード保証」という言葉を聞くことはほとんどないからだ。
そこで今回はクレームガード保証の仕組みや実情について、自動車ディーラーの中古車査定士をしている筆者が説明していこう。
また今回は実際にガリバーとビッグモーターにヒアリングした結果も載せておくので、あなたの参考になることは間違いないだろう。
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1.クレームガード保証は「後のトラブルに対応できる保険」のようなもの
そして内容を簡単に説明すると、「売買契約後に何か不備があったとしても責任を追及しません」というものだ。
つまり車買取店側からのクレームに対する保証ということになる。
本当に必要な保証なのかということはさておき、このような保証がガリバーやビッグモーターから紹介されるのには理由がある。
その理由とは「車の売買には瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)が大きくかかわっている」というものだ。
瑕疵担保責任とは売買契約の際に、売主(あなた)が買主(買取店)に対して、査定に大きくかかわるような事象を隠した場合に、損害賠償請求などの対象となる責任のことを指している。
つまり下図のようなイメージを持ってもらうと分かりやすいだろう。
このように「後で何かあったとしても、クレームをつけないので安心してください」というものなのだ。
とはいえクレームガード保証は、「何があっても大丈夫」というわけではない。
というのも保証額などが決まっているため、すべてのケースで保証が有効ということではないからだ。
そこでクレームガード保証を提供している超大手車買取店2社の、
にヒアリングした結果、その内容や加入に必要な金額について、紹介していこう。
2.クレームガード保証は1万円~
本章でのヒアリング結果は2024年11月に実施したもので解説している。
早速以下に分けて説明していくので、ご覧いただきたい。
ガリバーのクレームガード保証
ガリバーのクレームガード保証について、筆者がお客様相談窓口に電話して聞いてみたところ、以下のような回答が返ってきた。
- ガリバーでは保証期間が7か月
- 詳細な金額は車の状態や査定額によって変わるため、今お答えできない
- 金額は実際に契約したときに出てくる
- 輸入車の場合には金額が変わる
このように、あくまで契約後に状況や査定額を加味して設定するということだった。
また輸入車は故障のリスクが日本車よりも高いことから、設定される金額が異なるようだ。
そのため実際に査定をするまでは「分からない」というのが本音だろう。
次にビッグモーターのクレームガード保証について説明していく。
ビッグモーターのクレームガード保証
ビッグモーターへのヒアリング結果は下記の表の通りになった。
車の種類 | 加入金額 | 保証期間 | 保証金額 |
---|---|---|---|
軽自動車(軽トラ含む) | 一律1万円 | 特に定めはなし | 上限100万円 |
普通自動車 | 査定額100万円未満…1万円 査定額100万円以上…2万円 |
||
輸入車、トラック、建機等 | 一律3万円 |
またビッグモーターの担当者が言うには、「ガリバーもほとんど同じくらいの金額だろう」とのことだったため、やはりガリバー自体も1万円~2万円くらいの加入金額になるだろう。
以上、ガリバーとビッグモーターのクレームガード保証について説明してきたが、買取金額によっては「1万、2万円くらいなら加入しても良いかも」と思っただろう。
しかしそのすべてのケースで加入しなければならないというわけではなく、必要ないケースもあるのだ。
そこで次章では、クレームガード保証の必要性について説明していこう。
3.クレームガード保証はそもそも必要ない場合もある
前述した金額でクレームガード保証に加入できるのであれば、「ぜひ加入しておきたい」と思ったことだろう。
しかし売買契約を結ぶときにきちんと説明を受けていないのであれば、後からのクレームが無効になる場合も多い。
そのため筆者としては、
- 売買契約を受ける際のメモや音声録音
- 自分自身が知る限りの事故や修理状況に関する報告
- プロの目できちんと車の状態を見たか、確認する
というように、後から「あくまで買取店の責任」と言える状況を作り出してしまえば問題ない。
ちなみに筆者が勤務するディーラーでは、素人であるお客様の車をプロの担当者が見るため、非常に悪質な場合(最初からダマす気があったなど)を除いて、後から減額や賠償請求をすることはない。
とはいえ実情としては、そのような買取店ばかりではない。
下記に国民生活センターに寄せられた2例を紹介しておこう。
■事例1
3年前に新車で購入した車を乗り換えるため、車検の前に売却することにした。インターネットで見つけた複数の買取業者に連絡して、店舗に出向き、車を見せた。一番高い価格を提示した買取業者(以下、事業者)と4日後に価格交渉し、220万円に決まり、売ることにした。また、別途、売却価格の変更がないことを保証するサービス(以下、買取価格保証)に20,000 円を支払って加入した。車を引き渡した3日後に事業者の担当者から電話があり、「ルーフパネルの交換歴が判明した。知っていれば買い取らなかった。車を返すから代金を返してほしい」と求められた。「お客様の事故、メーター改ざん、水没以外はすべて事業者が負担する」と言われて「買取価格保証」を申し込んだのに、話が違うので承服できない。後で思い出したが、過去に雪害でへこんだルーフを保険で修理したことがある。商談中、「事故は起こされましたか」と尋ねられたが、駐車している車の屋根に雪が落ちたことを「事故」と思わなかったので、申告していない。(60歳代 男性 無職)
※引用元:国民生活センターの「相談事例と解決結果」より
■事例2
2年前から所有する30年近く前に製造された国産スポーツカーを買取店に見せたところ、「ぜひ欲しいというお客がいる。買い取らせてほしい」と頼まれた。この車はエンジンを載せ替えていると査定士に伝えた。査定の結果、約75万円で買い取るとのことだったので、この車の価値が分かり、大切にしてくれる人の手に渡るのならと思い、売却を決めた。
その後3カ月近くたって、買取店本部の債権回収部門の担当者(以下、担当者)から、「オークションにかけたところ、走行距離数に問題があった。契約を解除したい」と電話が入った。走行メーターを自分で改ざんした覚えなどはない。プロの査定士が厳正に査定したうえで提示した買取金額ではなかったのか。売却代金は新しい車を購入した際使ってしまい、今さら契約解除と言われても困るし、納得できない。(40歳代 男性 自営業)
引用元:国民生活センターの「相談事例と解決結果」より
事例1はクレームガードを付けている状態でのトラブルだが、契約時の説明不備などもあることから契約は続行された。
つまり、最終的には賠償請求の対象にならなかった。
また事例2に関しては「買取店側も責任の一部がある」ということを認めている。
筆者の言うように、きちんと証拠は残しておけば、おおむね問題ないということである。
ただし、きちんと買取店側から説明を受けた場合などに関しては、正直なところ「あなたが悪い」と言わざるを得ない。
また中古車の場合には、いくら正直に買取店へ状態の説明をしたからと言って、あなたの前のオーナーがどのようにしていたかは知ることができない。
つまりあなたの前のオーナーが隠して売却した部分を、あなたの責任として追及される可能性があるのだ。
そのため買取を依頼する予定の車が「中古車として購入した」という場合には、クレームガード保証を付けた方が良いといえるだろう。
ただし新車で購入した車に関しては、あなたが正しく申告することで後々にクレームを受けることはなくなるため、必ず正しい申告をした上で証拠を残しておけば問題ないといえる。
そして後にクレームを受けた場合には証拠の提示をした上で、あなたの正当性を主張すればきちんと回避することができるのだ。
とはいえ重要なので再度述べておくが、あくまで「正しく申告していれば」の話である。
そのため「証拠を取っておいたから問題ない」といって、嘘の申告をしてお得になることは許されないのだ。
その場合には詐欺として罪に問われる可能性があるということも覚えておいてほしい。
またそのようなことをせずとも、お得に車買取してもらえる方法を次章にて紹介しておくので、ご覧いただきたい。
4.クレームガード保証の有無にかかわらず高く車売却するなら「車一括査定」
クレームガード保証の有無や、嘘の申告をせずともお得に車売却をするためには、単純に「複数の車買取店を競合させる」といい。
というのも車買取店は昨今の中古車人気の影響から、自社の在庫が激減しているという現状があり、その結果として高額査定をしてくれるのだ。
またその状況はどの買取店でも同じであるため、競合させていくことで徐々に査定額が上昇していき、最終的には最高額となる。
とはいえ実際に複数社をまわり、競合させていくのは「面倒くさい」と感じるのが普通だ。
そこで筆者がオススメするのは「車一括査定」というサービスである。
このサービスを利用すると本当にお得に、そして最短時間で最高額を引き出すことができるのだ。
またサービスと提携している買取店の中には、JPUCという「超優良な買取店しか参加できない団体」に加盟している企業も多いため、あなたが安心して任せられるのは間違いないだろう。
次章にてサービスの詳細は説明していくので、ご覧になって利用してほしい。
車一括査定とは「複数の買取店」に同時依頼できるサービス
そして名前からもおおよその内容は推測できるだろうが、サービスと提携している何百~何千社もの車買取店の中から、あなたの地域に対応している複数の車買取店に車査定を一括して依頼できるのだ。
またサービスと提携しているほとんどの車買取店は、無料の出張査定サービスに対応しているため、あなたは自宅にいながら一気に複数社を競合させられる。
そのため「一度の申し込みをするだけで、最高額が得られる方法」ということができるのだ。
申し込み方法に関しても非常に簡単で、
- あなたが乗っている車に関する情報(車種や年式、総走行距離など)
- あなた自身に関する情報(出張査定先の住所や氏名など)
を入力するだけであるため、1~3分程度の時間があれば申し込みを完了させられる。
以上のことから車一括査定を利用することで、へこみのあるあなたの車は「最短時間で最高額を得ることができる」ということになるのだ。
申し込みは非常に簡単で、誰でもササっとできる。
そのためぜひ一度利用して、満足のいく価格提示を受けてほしい。
とはいえひとつだけ問題もある。
それは「車一括査定のサイトはいくつもあるため、どこがオススメなのか分からない」ということだ。
そこで最後に、当サイトで紹介している車一括査定サイトの中から、オススメなものを紹介しておこう。
車一括査定を徹底比較
車一括査定をオススメしたのはいいが、じつは買取店ほどではないにしても、いくつかのサイトが存在する。
主要な車一括査定6つをまず見てほしい。
下記にそれぞれの車一括査定を比較した一覧表を載せておく。
それぞれの比較一覧表をご覧になると、例えば
- カーセンサーの提携業者数は圧倒的に多い
- 楽天オートは楽天ポイントがもらえる
- ユーカーパックは買取業者からの電話がない、申込み直後に買取相場を知ることができる
- ズバット車買取は申し込み直後に買取相場を知ることができる
- カービューは車一括査定を最初に始めた運営サイトで歴史が長い
- ナビクル車査定は買取業者を厳選している
という特徴に気付くことができるだろう。
実際にこれらの特徴はすべて各車一括査定の「強み」といえる部分だ。
といえば、これらの特徴をご覧になるだけでは、本当にオススメの車一括査定がどれなのか分からないはずだ。
そこで筆者が車査定のプロとして最もオススメできる車一括査定TOP3を紹介する。
車一括査定のオススメは「カーセンサー」
最もオススメの車一括査定はタイトルの通り「 カーセンサー 」と結論付けている。
なぜなら「1,000件を超える圧倒的な業者と提携しているため、最も自分に合った買取業者を探しやすく最もお得になる可能性が高い」といえるからだ。
依頼でポイントがもらえる「楽天オート」
楽天オート の車一括査定は、「ポイントがもらえる」という特徴が大きい。
そして得られるポイントは
- 申し込みをして5ポイント
- 申し込み後に制約をしたら1,500ポイント
であり、ハードルがとても低い。
提携している買取業者数はカーセンサーと比較して見劣りする。
買取業者からの電話なし「ユーカーパック」
ユーカーパック は他の車一括査定とは少し色が異なる。
ユーカーパックの特徴は、車一括査定のように買取店からの電話ではなく、ユーカーパックからのみしか掛かってこない。
この車買取店から一斉に電話がかかってこない点が評価することができる。
さらには、5,000社以上もの車買取業者と提携してのも評価ポイントだ。
ただし、前述したカーセンサーと比較すると、提携している業者の多くが「大手買取業者ではない」という欠点がある。
以上、筆者がオススメする車一括査定に関しての解説を終了する。
ご覧になると「いくつもある車一括査定にはそれぞれ特徴があり、ポイントを抑えておくことで確実に金銭的にも、精神的にもお得になることができる」ということが分かったかと思う。
そして再度結論を述べますが、筆者としては最もオススメな車一括査定は「 カーセンサー 」であり、確実に最もお得な車買取業者を探すことで「数十万円以上も高く車買取してもらえる」ということができる。
申し込みにかかる時間も2分程度と、本当に短時間で簡単に申し込みを完了させることができる。
そのため、ぜひ一度試してみてほしい。
「こんなにお得になるのか!」とビックリするかもしれない。
5.まとめ
以上、クレームガード保証に関する説明をしてきたが、最後に当ページの内容をまとめておこう。
- クレームガード保証とは、簡単に言うと「瑕疵担保責任を免れる保証」のこと
- クレームガード保証を付けると、おおむね1~2万円程度が必要になる
- クレームガード保証は、新車で購入し正しく申告した場合には「必要ない」と判断できる
- クレームガード保証の有無にかかわらず、高く車買取をしてもらうなら「車一括査定」がオススメ