そのため魅力的に感じて購入検討をしてしまう人も多いのだが、元ディーラー営業マンの筆者としては「まずオススメすることはない」と言い切ることができる。
そう聞くと、あなたとしては下記のように思わないだろうか。
- なぜ事故車となっている中古車を購入してはいけないのか
- 事故を起こしただけの車が、そんなに危険とは限らないのではないだろうか
- 事故車である中古車を購入した時にも、メリットはいくつかあるはず
- 事故車ではないに越したことはないから、もし安く中古車購入する方法があれば知りたい
そこで今回は、プロ目線で事故車の中古車に関するリスクや、予算内でも優良個体を購入する方法について詳しく紹介していこう。
きちんとご覧になると分かるが、リスク分散を正しくすれば「安心して乗り続けられる」といえるため、ぜひ最後まで読み進めてほしい。
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1.事故車かどうか「目利き」をある程度できるようにしておこう
まず先に、事故車かどうかを初心者でも目利きする方法について紹介しておこう。
そう聞くと面倒くさそう、難しそうだという印象を持つかもしれないが、実はそれほど手間をかけずに高確率で目利きすることが可能であるため、下記に箇条書きしたポイントをご覧いただきたい。
- パネル類の隙間がゆがんでいる、均等ではない、不揃いである
- ドア類の開閉をする際にきしみやガタツキを感じる
- 試乗させてもらった際にまっすぐ走行できない、不自然にふらふらする
たったこれだけの作業を実施するのみで、8割以上の事故車を見抜くことができると思っても大丈夫である。
上記のポイントについては少しだけ踏み込んで、それぞれを以下に説明していこう。
ポイント1.パネル類の隙間がゆがんでいる、均等ではない、不揃いである
パネル類と言われても頭にはてなマークが浮かんでしまうかもしれないが、これはボディ外装の「鉄板部分」と思ってほしい。
その鉄板部分のつなぎ目がゆがんでいたり、均等ではない、不揃いのもは事故車の可能性が高い。
車という工業製品は、骨組みの上に鉄板をいくつも貼り付けてできているのだが、このパネルは基本的に「骨組みに沿って取り付けられる」という特徴を持っている。
つまり骨組み自体がゆがんでしまうと、上に貼り付けられたパネルにも微妙なずれが生じてしまうのだ。
その結果としてパネル同士の隙間が不自然に空いてしまったり、ゆがんで見えたりする。
その場合には「事故車である」可能性が高い。
ポイント2.ドア類の開閉をする際にきしみやガタツキを感じる
特に国産車に言えることなのだが、基本的に工場から出荷された時点では「精密に作られている」ということができる。
そのため骨組みにもゆがみはなく、パネルにもゆがみが無く、その結果としてドア類もスムーズな開閉をすることが可能なのだ。
しかし仮に骨組みにゆがみが生じている場合には、ドア類が設置されているヒンジ(ドアの根元で開閉作業をする部分)にもズレが生じてしまう可能性が高い。
その結果として開閉時に違和感を覚えるようになることが多い。
ただし経年劣化として開閉しづらくなるケースが無いわけではないため、必ず中古車をチェックする際にはすべてのドア類を開閉してみて、どこかに違和感がないかを確かめるのがオススメである。
ポイント3.試乗させてもらった際にまっすぐ走行できない、不自然にふらふらする
中古車購入をする場合でも筆者としては試乗をさせてもらうことを推奨している。
というのも試乗しなければ車の運転しやすさなどが分かりづらく、購入後に後悔するケースもあるからだ。
そのため車検切れの物に関しても、展示場内で構わないので試乗させてもらってほしい。
そしてその際に、できる限り平坦な道を走行してみよう。
そうすると、仮に事故車の場合には骨格がゆがんでしまっているため、まっすぐ走行することができないのだ。
つまり不自然にどちらか一方向へ曲がってしまいそうな、変な違和感を覚えることが多くなる。
そのため運転しやすさを確かめるためにも、事故車かどうかをチェックするためにも、必ず一度は試乗した方が良いと覚えておこう。
中古車の試乗については下記記事でさらに詳しく解説している。
以上が素人でもできる中古車の事故車を目利きするポイントだったが、ご覧いただくと分かるように「誰でもできる」というのは本当のことだ。とはいえ骨格が~と筆者が述べるたびに、「ちょっとした事故でも骨格がゆがむの?ありえなくない?」と思わなかっただろうか。
実は中古車業界では、この「事故車」に関する取扱いが少し一般の認識とはズレているのだ。
そこで下記に、事故車の定義について簡単に紹介しておこう。
2.事故車とはどのような中古車なのか
これまで当然のように事故車という言葉を使ってきたが、事故車とは単純に「事故をしたことのある車」という意味でつかわれるわけではない。
中古車業界では「骨格部分を損傷した経験を持つ車=修復歴ありの車」という認識で、一般的に事故車と呼んでいるのだ。
つまり例えば「ただ壁に少し擦っただけ」といった小さな事故を起こしただけでは、基本的に事故車と呼ばれることはない。
そして骨格部分が損傷していると何が起こるのか。
それは次章のリスクにも紹介していくのだが、平たく言うと「著しく安全性が低くなる」ということができる。
つまり事故車購入をするということは、万が一の際に命を失う可能性すらあると覚えておいてほしい。
そしてここまで聞くと、事故車にはどんなリスクがあるのか気になってくるだろう。
このまま次章へ進んでいただきたい。
3.事故車の中古車購入をオススメしない3つの巨大リスク
事故車では安全性が著しく低くなると述べたが、実際にどの程度安全性が低くなるのか「まだよく分からない」というのが正直なところだろう。
そこで早速、事故車の最大リスクを箇条書きしておいたのでご覧いただきたい。
- 走行安定性に欠ける
- 価値が極端に低くなる
- 後に高額修理が発生する可能性がある
言わずもがなかもしれないが、それぞれ以下に分けて詳しく紹介していこう。
リスク1.走行安定性に欠ける
事故車は骨格のゆがみから、走行安定性に欠けてしまう。
先ほどのチェックポイントで「試乗すべき」と述べたのは、このチェックをするためだ。
そしてチェックポイントでも述べている通り、事故車の場合にはまっすぐ走行することが困難であるケースが多い。
というのも車は正常な状態でまっすぐ走行するように設計されているため、ゆがみが生じてしまうと安定した走行ができなくなるのだ。
その結果として、気づかぬうちに幅寄せをしていて大事故に…なんてことが起こる可能性は、どうしても高くなってしまう。
とはいえ事故車=修復歴ありの車と述べたため、修理していれば大丈夫なのでは?と思ったかもしれない。
しかしそれは大きな間違いなのだ。
というのも針金を思い浮かべると分かりやすいのだが、一度曲げて、その後元通りに伸ばしたとしても「少しだけグニャっとしている」のはイメージできるだろうか。
金属は一度曲げてしまうと、溶かして新たに成形する以外に「元通りの形になることはない」という特徴を持っている。
つまり骨格がゆがんで修理をしたとしても、完全な元通りにはならず、微妙なゆがみが生じたままとなっているのだ。
そのため安定性は高いとは言い難く、もっと言うといつどうなるか分からない爆弾を抱えている状態といえるのだ。
以上のことから走行安定性に欠ける=危険性が非常に高くなると思ってほしい。
リスク2.価値が極端に低くなる
事故車は手放すときに、極端に価値が低くなってしまうという特徴を持っている。
何となくイメージはできるかと思うが、通常時の査定額と比較すると最大で100~200万円以上も安く査定されてしまう。
つまり中古車として購入した事故車は、手放すときには0円で引き取られる可能性が高くなってしまうのだ。
そのため資産的な価値は全くなく、鉄クズ代として1~2万円もらえれば「良い方」といったことになりかねない。
もちろん車種によっては異なるのだが、基本的には「ビックリするぐらい価値が下がる」と思っても間違いないのだ。
ちなみに筆者は中古車の営業担当もしていたことがあったが、そもそも事故車は全然売れないため、結果的に「不良在庫」や「長期在庫」として、いらない車両だと考えられていた。
そのことからも分かる通り、次の車へ買い替えるときに損した気持ちになるのは間違いないだろう。
事故車の査定額はコチラでシミュレーションできるが、極めて安い価格になることがわかる。
事故車売却シミュレーターはコチラ → https://www.tau-reuse.com/assessment/
リスク3.後に高額修理が発生する可能性がある
事故車は走行安定性に欠けるなどと述べたが、曲がる・止まるといった動作にも支障をきたしてしまうケースがある。
なぜなら事故の衝撃によって、その場では見えなかった部位に損傷が生じてしまい、結果的にまっすぐ走らないどころの騒ぎではなくなってしまうことがあるのだ。
そのため例えば「車軸そのものの交換」や「ブレーキ一式の交換」など、購入後に数十万円単位の大規模修理が必要になることもある。
そうなってしまうと…正直、普通の中古車を購入した方が安く済ませられるということが多い。
しかも手放すときには激安買取をされてしまうため、損以外の何物でもなくなってしまうのだ。
そのため筆者としては、これらのリスクは非常に大きく、特に車の知識に乏しい初心者にはまったくオススメできないと思っても問題ないと結論付けている。
とはいえ、事故車にはメリットがないわけではない。
「ないわけではない」という程度のものではあるが、次章にて事故車のメリットを紹介していこう。
4.逆に事故車の中古車にはメリットがあるのか
事故車のメリットとしては、正直なところ下記に挙げた2点のみである。
- 安く売られている
- 古い車が手に入りやすい
- 古い人気車種はすぐに売り切れる
- しかし事故車なら敬遠されるため、結果的に手に入れやすい
- ただしやはりリスクが大きすぎるし、古い=維持費がかかるため、金銭的にもオススメできない
「価値が低い」ということから、安く売られている点については理解できるだろう。
ただし査定額で100~200万円低くなったとしても、再販価格としてはせいぜい「通常の同じ条件の中古車よりも1~2割引き程度」というケースが多い。
とはいえ高額修理の可能性を加味すると、やはりお得感という意味では、あまりないというのが本音である。
ただしメリットとして特筆すべきなのは、後者の「古い車が手に入りやすい」という点だ。
というのも~1990年ぐらいまでに製造されたヴィンテージカーのような車両に関しては、そもそも現存する個体が少ない。
そして同時に多くが事故車を修復しているケースが多いのだ。
つまり逆説的には、「事故車なら古くて人気の車種も見つかりやすい」ということである。
とはいえヴィンテージカーこそ修理や整備に対してシビアに考えなければならない点が多いため、初心者にはまったくオススメできないのが本音である。
とはいえ仮にチェックポイント通りにチェックして、見落としによって事故車を購入してしまったことを考えると、不安で中古車購入ができなくなってしまう。
そこで筆者としては、予算と車両の安心感を両立させることのできる、中古車提案サービスの利用をオススメしている。
サービスの詳細は下記にしていくが、正直なところ安心の中古車を予算内で探して購入するにはもってこいのサービスであるため、ぜひご覧になって利用してほしい。
安心の中古車を予算内で賢く手に入れるなら中古車提案サービスを使え
中古車を購入する理由は安いしコスパがいい、ただ何といってもすぐに壊れないかがとても心配なところだ。
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- 予算
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5.まとめ
以上、中古車の事故車に関する解説を終了するが、最後に当ページの内容をまとめておこう。
- 事故車の見極めポイントとしては、骨格が正常か見るために「パネル」「ドア」「直進性」を見るのがオススメ
- デメリットとしては安全性が低すぎる点であり、購入すべきではない
- 一部メリットも無いわけではないものの、初心者にはまったくオススメできないのが本音
- なので予算内で安心できる中古車を購入するのであれば、中古車提案サービスを利用するのがオススメ