中古車の購入をするとき、いつ納車されるのか待ち遠しいだろう。
そのためあなた自身、中古車の納車にどの程度の時間がかかるのか、気になるのではないだろうか。
そこで今回は中古車の購入契約~納車まで何日かかるのか、ディーラーで中古車販売の営業経験を持つ筆者が、詳しく解説していこう。
また同時に、中古車の納車時はうれしくて浮ついてしまうケースが多いが、その気持ちをグッと抑えてチェックすべき6つのポイントについても解説していく。
そのため当ページをご覧になっておけば、間違いなく中古車の納車で
- 予想外の時間がかかった
- 納車後に「そんなはずではなかった」
と思うことはなくなることをお約束しておこう。
※納車日の日柄については、下記記事で詳しく解説している。
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1.中古車の納車は合計9日
中古車の購入が決まり、納車までには下記に過剰書きした工程を要する。
- 契約
- 必要書類揃える
- 登録、名変
- 納車前点検やパーツの取り付けなど
- 入金
- 納車時確認
ご覧いただくと分かる通り、ただ「購入→納車」と流れるのではなく、ディーラーなどの販売店ではやることが盛りだくさんなのだ。
そこでそれぞれの内容を分けて説明していくとともに、必要な時間についてもお教えしていこう。
流れ1.契約…1日
契約は「売買契約」のことを指しており、実際に商談が煮詰まって「購入する」という最終の意思決定の場となる。
そのためよく考えて価格や仕様に納得した上で、契約をすべきである。
また契約時には実印は不要なことは多いものの、次にそろえる「必要書類」の中で実印が必要になるため、ついでに持っていくとスムーズに済ませることができる。
流れ2.必要書類揃える…合計5日
中古車が納車されるために必要となる書類は、下記の通りである。
- 新所有者の実印押印済みの委任状
- 実印を証明する印鑑証明書の取得
- 車庫証明の発行
それぞれ以下に分けて説明していこう。
書類1.新所有者の実印押印済みの委任状…1~3日
新所有者の実印押印済み、つまりあなた(ローン購入の場合はローン会社)の実印が押印された委任状が必要になる。というのも車の登録や名義変更する=法的な手続きとなるため、あなた自身の許可が求められるからだ。
とはいえ委任状は特別な書類ではなく、ディーラーなどの中古車販売店で簡単に入手可能であり、氏名と住所の記入と、実印の押印だけで完了する。
そのため先ほども述べた通り、実印を契約時に持っていくとその場で完了するといえる。
ただしローン購入によってローン会社が所有者となる場合には、ローン会社に連絡をして実印押印済みの委任状を送付してもらう必要がある。
送付にはそれほど時間がかからないものの、郵送となるのが一般的であるため、3日程度かかるケースもあると覚えておいてほしい。
書類2.実印を証明する印鑑証明書の取得…1~3日
委任状に押印した実印を証明する書類として、印鑑証明書が必要になる。また印鑑証明書は所有者本人の「住所証明」にもなるため、車検証上の氏名や住所の証明をすることが可能なのだ。
ただしローン購入によってローン会社が所有者となる場合には、別途あなた自身の住所・氏名の証明として「住民票」などが必要になるケースもある。
ちなみに所有者がローン会社の場合には、委任状と一緒に印鑑証明書も送付してくれるため、同様に3日程度かかるケースもある。
書類3.車庫証明の発行…3~5日
車の登録をするには、一部の地域を除いて車庫証明の発行が必要になる。車庫証明の発行方法は下記に記載しておくが、その日中に申請を出したとしても証明書の発行がされるまで、自治体によって3~5日程度かかる。
そのためどれだけ早く契約後に車庫証明を発行した場合には、最低でも3~5日は納車されないということになるのだ。
流れ3.登録、名変…1日
登録や名義変更に関しては正直なところ「書類を提出するだけ」といっても過言ではない作業であるため、陸運局に出向いたその日中に完了するケースがほとんどだ。
そのため書類さえそろっていれば「すぐに完了する」と覚えておこう。
流れ4.納車前点検やパーツの取り付けなど1~3日
中古車を販売するとき、販売店は基本的に「納車前の最終確認」として、車両の点検や不具合の確認を実施する。
そしてカーナビやエアロパーツなどの取り付けがある場合には別途作業が必要になるものの、実質的に必要な時間は「数時間程度」というのが本音である。
しかし1~3日が必要だというのには理由がある。
というのも点検自体はすぐに完了するのだが、カーナビなどの取り付けは「自動車専門の電機業者」に外注依頼をするため、作業時間にかかわらずすぐ対応されないのが現状なのだ。
そのため最低1日で終了するものの、長いと3日程度必要になるケースもあると覚えておこう。
流れ5.入金…1日~1週間
あなた自身が自己資金で中古車購入のお金を支払う場合、いつどのタイミングでも入金することが可能である。
しかしローンで中古車の購入をする場合には、ローン会社の都合によって1週間程度待たされるケースもあるのだ。
とはいえ売買契約が完了した際に、
- ローン会社に対して「ディーラー(販売店)の担当者に入金日の連絡をさせる」と伝える
- ディーラーの担当者に「ローン会社へ入金日の調整をしてほしい」と伝える
という2つの連絡さえしておけば、あなた自身が心配せずとも入金の日程調整は簡単にしてもらうことができる。
また売買契約時に、すでにローン会社の審査が通っている場合には「売買契約から1週間程度あれば入金の準備は間違いなくできる」と思っても良い。
そのため支払方法に関しては、売買契約の完了時点で決めておくと「ラク」ということができるのだ。
流れ6.納車時確認…1日
納車時確認とは、納車される際にあなたがする「最後の確認」である。
つまり購入前には聞いていなかった車の不具合が無いか、購入前に確認した時には無かったキズや凹みはないか、しっかり確認する必要がある。
確認場所はまさに納車場所であるが、引き渡しが完了すると一般的に
- 重要事項説明に納得した
- きちんと車の状態を確認した
- 納得の上で引き渡しに応じたため、もう大丈夫
という旨が記載された書類に、署名を求められる。
そのため納車場所がディーラーであったとしても、納得できるまでは遠慮なく確認することをオススメする。
ちなみに筆者の父親が過去に中古車を購入した時、購入前の確認の際には無かったキズが判明したことがあり、証拠写真はなかったものの追及したら
- キズ消しのためのコーティング
- ドライブレコーダーのプレゼント
という形でお詫びしてもらうことができた。
もちろん粗探しをして販売店に無理やり「タカる」のは良くないが、基本は何かしらの形で保証してくれるため、必ず最初と最後は気を抜かずにしっかり確認することをオススメする。
以上、すべての工程に関する説明を終了するが、すべてをまとめると何十日も必要な気がしてしまうだろう。
しかし安心してほしい。
というのも、各工程は「同時進行」で行われるケースが多いため、実際には下記のように9日程度で契約~納車まで完了してしまうことが多いのだ。
そのため、よほどの事情が無い限りは「10日程度あれば納車することは可能」と思っていても間違いない。
また、例えば
- 必要書類が売買契約時には揃っている
- お金も先に一括して振り込みが完了している
- 特にオプションなどを後付けしていない
などの場合には、正直なところ時間のかかる作業が極端に減るため、急ぎに急げば最短で翌日中には納車してもらうことも可能である。
とはいえ実際には、急ぐことでミスする可能性が高くなるため、どれだけ早くても「3~5日程度は待たされる」と思ってほしい。
また中古車の納車は、「できれば自宅に持ってきてほしい」と思っていないだろうか。
その点については、次章にて説明するように「販売店に直接出向いての引き取りがオススメ」といえるので、ご覧いただきたい。
2.中古車の納車は「引き取り」がオススメ
中古車の納車は正直なところ「引き取り」「自宅まで搬送」どちらでも対応してくれる。
というのもディーラーや販売店としては、そもそも中古車が売れてくれれば何も問題ないため、納車方法に関しては何とも思っていないからだ。
とはいえ筆者が、手間のかかる引き取りをオススメしている。
その理由は「その場で細かい対応をしてもらうことが可能である」というもので、実際に下記のような対応をしてくれるからだ。
- もう少しきれいに洗車してもらう
- 気が付いたキズをその場で磨き補修してもらう
- 記念品(ティッシュなど)もらう
自宅に来てもらい納車する場合には、基本的に担当営業マンと迎えの1人が来ているだけである。
しかし販売店に引き取りに行けば、上記のように「気づいた点の要望」を聞き入れてもらえるのだ。
販売店としては、悪い言い方をすると「その場で対応してさっさと在庫車を持って行ってほしい」と思っているため、大げさなお願いでなければ確実に聞き入れられると思っても良いだろう。
3.まとめ
以上、中古車の納車に関する解説を終了するが、最後に当ページの内容をまとめておこう。
- 中古車の納車には6つの工程があり、合計10日程度あれば納車まで完了する
- 必要書類などがあれば翌日中には納車が完了するが、3日程度は見ておきたい
- 中古車の納車は引き取りをすることで、「最後の要望」を聞き入れてもらいやすくなる