一般的に車の寿命は10万キロ程度だと考えられている。
しかし中古車市場を見てみると、なんと「15万キロ」というような車両もちらほら見かける。
果たして15万キロの中古車は寿命をとっくの昔に過ぎているのではないだろうか?と思ってしまうだろう。
先に結論を述べておくと、実は15万キロの中古車は「まだまだ現役」ということができるのだ。
とはいえ15万キロでも現役なのは、条件次第といえるため何も知らずに購入すると「安物買いの銭失い」になりかねない。
そこで今回は、自動車ディーラーで新車・中古車営業をしてきた筆者が、15万キロの中古車について詳しく解説していこう。
当ページさえきちんとご覧になっておけば、15万キロの中古車を購入しても「極限まで低リスクに抑えることができる」と思ってほしい。
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1.そもそも車の走行距離はどのくらいが寿命なのか
車の走行距離は多くの場合で10万キロ程度だと言われているが、実はその根拠は特にない。
というのも平均で1年に1万キロ走行すると言われているため、節目の「10年10万キロが寿命」と勝手に思われているだけなのだ。
それでは一体、何万キロ程度で寿命が来るのだろうか。
結論としては「良好な状態であれば20万キロまでは大丈夫」というのが本音である。
なぜなら国産の工業製品としての自動車は、エンジンをはじめとする部品の精度が非常に高く、結果的に全体的な耐久性は非常に高いといえるからだ。
もちろん消耗品となるランプ類やタイミングベルトの交換は必要になるが、基本的には大きな修理の必要はない。
実際、筆者の父親も同じ車(トヨタ製レジアス)を19年20万キロ乗っていたが、目立って大きな修理をしたことはないのだ。
またタクシーで使われることの多いプリウスやクラウンなどに関しても、20万キロを超えて走行することは全く珍しいことではない。
ただし、これはあくまで「国産車」でのこと。
というのも輸入車では5万キロを過ぎたあたりからオイル漏れやクーラント漏れなどが多発するため、維持するのが非常に大変になり、結果的に15万キロを超えて走行すること自体が現実的ではなくなってしまうのだ。
筆者の勤務するディーラーのグループで、輸入車ディーラーを4種類経営しているが、どのブランドも「輸入車はコレだからね…」と営業マンも気まずい顔をしているほどだ。
そのため輸入車では、15万キロという中古車は「よほどのお金と愛着がないと無理」と思ってほしい。
また国産車であったとしても、
- 定期的なオイル交換…6カ月以内に1度
- 定期点検…1年に1度
- 車検…2年に1度
という作業は最低限していなければ、寿命が過ぎている可能性はある。
つまりこれまでの説明から15万キロの中古車で、購入しても良い条件をまとめると
- 輸入車ではなく国産車
- 定期的なメンテナンスを欠かしていない
ということができ、最低限上記の条件を満たしていれば「比較的低リスクで購入できる」と思っても問題ないといえる。
とはいえ国産車を選ぶのは簡単だが「メンテナンス状況を確認する」という点は、少々難しい気がするだろう。
そこで次章では、15万キロを超えた中古車のメンテナンス状況を確認する方法について説明していく。
2.15万キロの気になる中古車を買うなら「記録簿」で整備状況の確認すべき
15万キロの中古車がこれまでどのようなメンテナンスを受けてきたのか確認するには、実は「記録簿」という書類を見ればすぐに分かる。
記録簿とは「メンテナンスノート」などと呼ばれることもある書類で、過去に実施した定期点検などのメンテナンス状況を、細かく記載しているものだ。
そして基本的には車検証と一緒に保管されていることが多い。
そのため中古車の現車確認をするときに、メンテナンスノートを確認させてもらえば「すぐに安心できそうな中古車か分かる」ということができる。
またメンテナンスノートには定期点検で実施する作業項目が
- エンジンルーム点検
- 足回り点検
と書かれており、さらに細分化された項目に交換を示す「×」マークや、点検・良好を示す「✓」マークなどが書かれている。
その中で分解や修理を示す「〇」や「△」が多くない、もしくは交換していても大丈夫な場合には、15万キロ走行していても「きちんとメンテナンスがされていた」と思っても問題ない。
ちなみに修理や分解作業に関して、重要度が分からない場合には担当者に「この項目の修理や分解はなぜするのですか?」と聞くといい。
というのも定期的に分解する必要のある部分も無いわけではないため、全部が全部マイナスポイントにはなりえないからだ。
また以前のオーナーによっては「オイル交換の記録」を整備工場につけてもらっている場合もあり、別途書類で残されている可能性もあるため、注意深く車検証入れの中の書類は確認しておいた方が良いだろう。
ちなみに記録簿の有無に関しては、下記のキャプチャ画像のように中古車検索サイトで書かれていることが多い。
※出典元:グーネットの「トヨタ ノアの中古車」より 仮にこの段階で記録簿が「無」の場合には、車の状況が分からなさすぎるため、購入は見送った方が良いといえる。とはいえ「有」の場合でも、実際に書類を確認しなければどのようなメンテナンスがされてきたのか分からないため、やはり自分の目で確認する必要がある。
また一方で、書類上で確認するだけでオールOKというわけではない。
というのも現車の各部を確認しなければ、本当にその中古車が15万キロを超えても生きている車両なのかどうか分からないからだ。
そこで次章では、現車確認時に見るべきポイントを紹介していこう。
3.現車確認で見るのは4つのポイント
現車確認で見るべきポイントは、大まかに下記の4つである。
- オイル漏れ、クーラント漏れなど
- 電装系が生きているか
- 実際に走らせて異音やガタツキがないか
- ブッシュ類(ゴムパッキン)の劣化確認
それぞれ確認方法などを以下に分けて説明していこう。
ポイント1.オイル漏れ、クーラント漏れなど
オイル漏れやクーラント漏れなどに関しては、実は簡単に確認することができる。
というのも液体の漏れが発生しているときは、ジワっとした滲みが出ているからだ。
具体的には運転席下にあることの多いスイッチでボンネットを開け、スマホのライト機能でエンジンルームを照らすと分かりやすい。仮にオイル漏れなどがある場合には、金属部分やホース部分が分かりやすくジワッとしているのだ。
また車体下の地面を見てみると、激しく漏れている場合には水たまりのような跡ができていることも多い。
ポイント2.電装系が生きているか
旧車と呼べる80年代90年代の車に関しては、正直なところ電装系は生きていなくても「あまり問題ない」といえることが多い。
というのも近代的な車と比較すると、それほど重要な電子部品を装着しているケースが非常に少ないからだ。
一方、2000年以降の車種に関しては様々な電子部品が装着されているため、必ず電装系の確認はしなければならない。
具体的には、
- パワーウインドウ…動作でカクツキや異音はないか、またどの窓も同程度のスピードで上下するか
- オーディオ…自分の利用したい方法で正常に利用できるか(使わなければ関係ない)
- エアコン…冷たい風や暖かい風は出るか、また嫌な臭い(カビや機械臭)はしないか
- 各種スイッチ…正常に作動するか、異音はしないか、押し込み後ストレスなくスイッチが戻るか
- バッテリー…担当者と一緒にバッテリー液の確認、専用器具が必要なため担当者に同伴して目の前で確認してもらう
という点について確認しておけば、基本的には問題ない。
ポイント3.実際に走らせて異音やガタツキがないか
15万キロを超えた中古車の購入をする前には、必ず試乗することが重要だ。
というのも15万キロの中古車は、古い個体が多いため「今の車と乗り味が異なる」ということはもちろん、走らせることで不具合を発見できる可能性があるからだ。
そのため実際に走らせて
- 異音はないか…ブレーキの強烈な鳴き、エンジンの更けあがる音がリズミカルではなく途切れることがあるなど
- ガタツキはないか…平坦な道路でガタガタしないか、カーブの際にきしみを感じないか、ブレーキを踏んで「ガッ、ガッ」というようなカクカク感はないか
などの確認をしなければならない。
仮に上記の異音やガタツキについてあまりにも気になるようであれば、購入後に大掛かりな修理や整備が必要になる可能性もあるため、筆者としては購入をオススメしない。
ポイント4.ブッシュ類(ゴムパッキン)の劣化確認
最後のポイントはブッシュ類の劣化確認だ。
ブッシュ類とは簡単にいうとゴムパッキンのようなもので、オイル漏れなどを防ぐ重要な部品の一つである。
そしてゴムパッキンのような部品であるため、必ず経年劣化してしまう。
そのためゴムパッキンを確認して、劣化していないか確認する必要があるのだ。
またブッシュ類は足回りにあり、ジャバラ状のゴム部品であるため発見しやすい。
しかし実は整備工場で車体を下から見せてもらった方がラクに確認できるため、一度整備工場で車体を上げてもらうようお願いするのがオススメだ。
仮に劣化している場合には、分かりやすく亀裂が入っているorオイル類がにじんでいるため、その場合には購入前に「サービスで交換しておいてください」と依頼すると良いだろう。
それほど高い部品ではないため、多くの場合で無料サービスしてくれるはずだ。
以上が現車確認時にすべき4つの確認ポイントだったが、実はまだ注意事項はあるため引き続き下記に説明していこう。
その他の注意事項
その他の注意事項(確認事項)としては、下記の2点である。
- その車の整備が完璧にできる整備工場を知っているか
- 自動車税や維持費が高くなる
それぞれ分けて説明していくのでご覧いただきたい。
1.その車の整備が完璧にできる整備工場を知っているか
15万キロの中古車は、きちんとメンテナンスがされていたとしても、やはり高年式で低走行の中古車よりも故障などのリスクが高い。
そのためその中古車の整備や修理に強い整備工場を知っているかどうかが非常に重要となる。
というのも例えば旧車を購入する場合には、すでにその旧車の部品製造が終了しているケースもあるのだが、該当する中古車の整備や修理に強い整備工場では、何年・何十年分もの整備部品を在庫として保管している場合が多いのだ。
また該当の旧車などを専門に取り扱っている整備工場の場合、そもそも
- この車にはこのオイルを使っておくと長持ちする
- この車はこの壊れ方をするので、先にこういった対策をしておく
という経験を持っており、購入後も安心して乗り続けることができるのだ。
そのため15万キロを超えた中古車を購入する場合には、必ずその車に精通したエキスパートを探しておく必要がある。
2.自動車税や維持費が高くなる
15万キロを超えた中古車を購入する場合、1年1万キロ計算で15年が経過していることになる。
その場合、自動車税などが高くなるのだ。
実際に下記のキャプチャ画像をご覧いただきたい。
※出典元:愛知県の「自動車税年税額一覧表」よりこのように、15年経過した車両に関しては「重課」と呼ばれる分類で課税されてしまい、およそ15%程度の重課がされ、高い税金を納めなければならない。
そしてメンテナンスに関しても新しい自動車よりも気を使ってこまめにする必要があるため、結果的に維持費はどうしても高くなってしまうのだ。
以上のことからも分かるように、15万キロの中古車は
- 書類上の確認
- 現車確認
- 維持費の確認
をした上で購入しなければならないということができる。
とはいえ現実的に考えると、こまめなメンテナンスや書類・現車確認などは「面倒くさい」と思って当たり前だろう。
そこで筆者がオススメするのが「ズバット車販売」というサービスを利用して、安全な15万キロの中古車を探す方法である。
というのもこのサービスを利用すれば、最初から安心できる中古車を簡単に探すことができ、さらにメンテナンス上の不安も解消することができるからだ。
4.15万キロの中古車を安心して賢く探す方法
まず「 ズバット車販売 」というサービスについて説明するが、このサービスはインターネット上で
- 希望車種
- 年式
- 予算
- 個人情報(提案を受けるためのメールアドレスや氏名など)
を入力するだけで、あなたにマッチした中古車を紹介してくれるものだ。
そして紹介される中古車はすべて中古車販売最大手のガリバーの在庫車両である。
ガリバーは中古車販売に心血を注いできているため、実は15万キロの中古車であったとしてもきちんとしたメンテナンスや引き渡しをすることが可能といえる。
つまりガリバーの車両を紹介してくれるズバット車販売なら、あなたにマッチした車両を「最初から安心できる業者で購入できる」というわけだ。
また最大手のガリバーは顧客からの評価を重要視しており、顧客に対してわざわざ不良品を押し付けることはない。
つまりきちんと目利きした上で中古車を提供してくれるため、自分でチェックせずとも安心できるのだ。
そのためぜひ一度、ズバット車販売というサービスを利用して、ガリバーの中古車を探してもらうことをオススメする。
ズバット車販売なら15万キロ走行の中古車であったとしても、心配することなく購入できるのは間違いないだろう。
5.まとめ
以上、中古車で15万キロを超えた車に関する解説を終了するが、最後に当ページの内容をまとめておこう。
- 中古車の寿命は10万キロと言われているが、15万キロでも大丈夫で、さらに20万キロいくことも普通にある
- ただし輸入車は故障のリスクが極めて高くなるため、オススメしない
- 15万キロの中古車は書類上の確認と現車確認を絶対にすべき
- さらに税金や維持費が高くなる点については覚悟すべき
- チェックするのは面倒くさいため、筆者としては「 ズバット車販売 」を利用して、最初から安心の中古車を探すのがおすすめ