代車とは?代車を借りる前にやるべき3つ・返すときにやるべき1つ

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車の整備や修理を依頼するとき、自分の車を整備工場へ入れてしまうため「足」がなくなる。

その時に役立つのが「代車」と言われるものだ。

つまり、簡単に説明すると「車検などのときに借りることのできる“足車”」というわけだ。

とはいえ実際に借りたいと考えているとき、気になるのは

  • 代車を借りるのにお金を取られるのだろうか
  • 代車で事故をした場合はどうなってしまうのか
  • どれくらいの期間借りていても問題ないのか

ということだろう。

確かに代車の金額については「きちんと把握していなければ、多くとられて損してしまう」ということになりかねない。

そこで今回は、自動車ディーラーで営業マンをしている筆者が、ディーラーをはじめとする代車事情について、詳しく解説していこう。

きちんと読み進めておくことで代車を正しく借りられるので、ぜひ最後までご覧いただくことをオススメする。

1.代車=「代わりになる車」

代車が「整備などで自分の車を預かってもらう場合の足車」ということは何となく理解しているだろうが、正しく定義を伝えておこう。

定義としては「お客様の車が入庫した際の、お預かり期間中に貸し出す車」のことを指している。

そして特別な理由がない限り、代車はディーラーなどの所有物となっていることが多い。

つまりあなたが今乗っている車がディーラーなどの整備工場に入庫(預ける)しなければ、代車を借りることは原則できないのだ。

そのため「どんな時に借りられるのか」という疑問に関しては、単純に「何かしらの理由でディーラーなどの整備工場に、今乗っている車を預けるとき」ということになる。

ちなみに筆者のディーラーでも、筆者が付き合っているモータース店や整備工場にも確認したが、この条件は同じだった。

そのため「どの整備工場でも、預けなければ借りられない」と思っても間違いないだろう。

とはいえ気になるのは「代車を借りるのに、お金は取られるのか」ということではないだろうか。

そこで次に、代車を借りる際に必要なお金について説明していこう。

代車は有料の場合もある

代車を借りるときは、「無料」というのが基本である。

というのも代車はあくまで「お客様の車の整備に時間がかかってしまうため、その代わりとして提供させていただいている」という立ち位置になるからだ。

しかし場合によっては「有料」の場合もある。

というのも、例えばディーラーなどに「新発売されたこの車を貸してほしい」など、入庫理由もなく代車貸し出しをしたい場合には、基本的にレンタカーが手配されて「お客様負担」とされてしまうのだ。

そのため

  • 無料の代車…整備などの理由で入庫した車の代わりに足となる、ディーラー所有の車
  • 有料の代車…入庫理由がなく「ただ借りたい」という場合に手配される「レンタカー」

という分け方ができる。

つまり特に理由もなく代車提供をしてもらう場合には、ディーラーの所有物ではないレンタカーを手配されて、レンタカー代を取られてしまうということになるのだ。

またレンタカーをディーラーに手配してもらう場合には、下記のように「わ」もしくは「れ」ナンバーの車が配車される。

レンタカーのナンバープレート

そして料金としてはレンタカー業者の料金体系に準ずるため、24時間の料金相場としては大まかに

  • コンパクトカー、軽自動車…6,000~8,000円程度
  • ミニバン、セダン…15,000~30,000円程度

が必要となるため注意が必要だ。

しかし図解した通りの「わ(れ)」ナンバーの車が、車検などの時の代車として貸し出される場合もある。

これは単純に「ディーラー側の代車に空きがなく、ディーラーの費用もちで手配してくれたレンタカー」であるため、心配する必要はない。

また「わ(れ)」ナンバーで登録されている車以外の場合には、レンタルによってお金を取ることが法律で禁じられているため、通常の代車であれば間違いなく無料だと思っても良い。

仮に整備などで必要となった代車で、別途お金が必要になる場合には「そもそもこの業者は信用できない」と判断しても大丈夫だ。

以上で代車の料金に関する説明を終了するが、次は「借りられる期間」について説明しておこう。

代車で借りられる期間は「MAXで1か月程度」が普通

代車で借りられる期間は、正直なところ「その整備にかかる期間」というのが正解だ。

というのもディーラーとしては、「お預かりしている車を返すまでの間、代わりの車としてお貸しする」という感覚であり、特に期間を定めていないのだ。

そのため基本的には、あなたの車が入庫してから整備が完了するまでは代車を借りることが可能である。

ただし、「常識的な範囲で貸し出す」と考えているディーラーや整備工場もあり、最大期間としては「おおむね1か月程度」と考えておくのがベストだろう。

ちなみに筆者が勤務するディーラーでは、商用車ではあったが「2か月の貸し出し」というケースもあった。

とはいえやはり、お客様との付き合いの深さや整備や修理状況にもよるため、一概にはいえないのが本音である。

以上、代車に関する説明を終了するが、次章からは「借りる前」「返すとき」にすべきことについて、それぞれ説明していこう。

2.代車を借りる前にやっておくべき3つのこと

車検などで代車を借りるとき、下記3つのことについて確認しておくことがオススメだ。

  1. 車の大きさの確認
  2. 傷や凹みの確認
  3. 運転方法の確認

それぞれ以下に分けて説明していこう。

確認1.車の大きさの確認

代車を借りるということは、乗りなれた車を一時的に預けることになる。

そのため借りる代車の大きさについては「自分が問題なく運転できる大きさか」ということを、きちんと確認しなければならない。

というのも詳しくは後述していくが、万が一代車で事故を起こしてしまった場合には、あなたが契約している自動車保険で補償を受けなければならず、結果的に保険料が大幅にアップしてしまうからだ。

そのため必ず借りられる予定の代車に関しては「自分でも運転できそうな大きさか」ということを念頭に置くことがオススメである。

ちなみにディーラーや整備工場の担当者に「今の車と同じくらいの大きさが良い」といえば、基本的に大きさを合わせて代車の手配をしてくれるため、要望は伝えなければならない。

確認2.傷や凹みの確認

代車はボロボロの古い車から、新しい「試乗車」と呼ばれるものまで幅広く用意されている。

しかしどの車であったとしても、あなたが傷つけてしまった場合には「あなたが修理費用を負担する」という必要がある。

そのため借りる際には必ずあらかじめついているキズや凹みを確認して、後から傷の補修費用などを請求されないようにすべきといえる。

とはいえ通常、代車を提供してくれる担当者は一緒に確認してくれるため、それほど心配する必要はない。

またボロボロの車が代車で提供された場合には、最初から「大きなキズや凹み以外は無視してくれる」というケースも多い。

確認3.運転方法の確認

ディーラーや整備工場にある代車は、メーカーも車種もバラバラであることが多い。

そのため車内のボタン類などの操作方法が、大幅に異なるケースがあるのだ。

つまり代車を借りるときには、操作方法をきちんと聞いておかなければ「不便すぎる乗り物」になってしまう。

実際に筆者の父親も、現行型のプリウスを代車として借りた時に「レバーの操作方法が分からず、不安で乗れない」ということがあった。

乗れないということは代車としての役割を何一つ果たせていないため、必ず操作方法などに関してはきちんと聞いておくべきである。

ただし一般的な担当者であれば「簡単に操作方法を説明しますね」と言って、大まかな操作方法を享受してくれるため、安心してほしい。

以上が代車を借りるときにすべき3つのことだったが、どれも当たり前ではあるものの「超重要」ということができるものばかりである。

その点を踏まえて、次章では「返すときにすべきこと」について説明していく。

3.代車を返すときにやるべき1つのこと

代車を返すとき、手続きとしては単純に「自分の車と引き換えに、返却するだけ」である。

そのため特に何かする必要はない。

しかししいて言うならば、借りる前と同様に傷や凹みは確認しておいた方が良い。

なぜなら「以前はこのような傷はついていなかった」と言われ、修理費用を請求されてしまう可能性が「無くはない」ということができるからだ。

そのため借りる前と、返却時には「必ず傷は確認すべき」と覚えておこう。

以上で代車を借りるときと返却時にすべきことを、合計4つ紹介してきた。

そのため後は「代車を借りるだけ」と思っているかもしれないが、最後に「代車を借りる際に気になる9つのあるある」について説明していこう。

4.代車で気になる9つの「あるある」

代車を借りるときに気になることについて、下記に代表的なものを9つ挙げておいた。

  1. 代車で事故を起こしたらどうなるのか
  2. 代車で当て逃げされたらどうなるのか
  3. 代車で擦ったらどうなるのか
  4. 代車を返すときにガソリンはどうするべきなのか
  5. 代車がパンクしたらどうすればいいのか
  6. 高グレードや高級車を代車で借りることはできるのか
  7. 代車でチャイルドシートはあるのか
  8. 代車でにおいが気になる場合はどうすればいいのか
  9. スタッドレス付きの代車はあるのか

それぞれ代車を借りる上では非常に重要度の高い疑問点であり、中には大損しかねないものも含まれるため、以下に分けた説明をきちんとご覧いただきたい。

1.代車で事故を起こしたらどうなるのか

代車で事故を起こした場合には、基本的にはあなたが事故による修理費用や損害賠償費用を負担しなければならない。

つまりあなたが契約している自動車保険を使って、車の修理や損害賠償をしていくのが普通である。

そのため筆者が勤務するディーラーでは、代車を貸し出すときに「事故の場合はお客様の保険を優先的に使います」と説明している。

代車は「借りた人の責任で運転する」ということにしておかなければ、ディーラーは代車で事故が起こるたびに損をしてしまうからだと覚えておこう。

2.代車で当て逃げされたらどうなるのか

代車で当て逃げされた場合も、実はあなたの自己負担で修理しなければならない。

そのためやはり保険を使って修理するのが普通である。

ただし契約している自動車保険で「車両保険」を付帯させている必要があり、さらに車両保険の中でも「一般型」と呼ばれる「当て逃げも補償してくれるタイプ」で付帯させなければ自腹ということになる。

ケースバイケースだが、例えば全損時には数百万円単位の自己負担が発生しかねないため、注意が必要である。

ちなみに、借りた代車がボロボロの車である場合には、ディーラーから「特に修理費用を負担してもらわなくても大丈夫」と言われることもあるため、当て逃げされた場合には確認する必要がある。

3.代車で擦ったらどうなるのか

代車で擦ってしまった場合には、こちらも自分で修理費用の負担が必要になる。

ただし代車の修理費用に関しては、やはり契約している自動車保険の「車両保険」から補償してもらうことになるため、付帯させていることが条件となる。

また車両保険の種類に関しては、

  • 対車との事故の場合…車対車限定型の車両保険でも補償される
  • 電柱やガードレールなどに擦った場合…一般型の車両保険で補償される

ということになるため、ケースバイケースで補償対象が変わってしまう部分には注意が必要だ。

上記3点に関しては、自動車保険からの補償が必要になるケースが多いため、下記に説明する通り「代車を借りても心配ない自動車保険の選び方」を参考にすると良い。

心配しなくても良いようにすべきこと

上記3点はすべて代車を自分の保険で修理するということが多くなる。

そのため代車を借りる前には、自分自身の自動車保険の補償内容を確認しておく必要があるということは理解できるだろう。

そして確認すべきポイントは

  1. 対人賠償の限度額
  2. 対物賠償の限度額
  3. 車両保険の種類

である。

ただし先ほども少し触れたように「優先的にお客様の保険を使う」というだけであって、あなた自身の保険から超過してしまう部分に関しては、ディーラーや整備工場も「仕方ない」というのが本音だ。

そのため言い方は悪くなるが「ディーラーで加入している保険を借りる」こともあるだろう。

とはいえあなた自身が加入している自動車保険が充実しているに越したことはないため、筆者としては「充実の補償でもお得な自動車保険」に加入することをオススメする。

そしてその方法としては「自動車保険一括見積もり」というサービスを利用して、ほとんど同条件かつ充実した補償内容で「最も安い自動車保険を探す」というものである。

自動車保険一括見積りについては、「【2018決定版】使って分かった!自動車保険一括見積もりのオススメ」がよくまとめられているので紹介しておく。

4.代車を返すときにガソリンはどうするべきなのか

4つ目のあるあるは「ガソリン」に関してである。

そこで先に結論を述べておくが、実は代車のガソリンは「入れずに返しても問題ない」という場合がほとんどだ。

というのもそもそも代車に入れられているガソリンは、お客様に貸し出す予定期間中、使用に困らない程度しか入れられていないことが多い。

具体的には、筆者のディーラーの場合2~3メモリ分(10L未満程度)しか入れずに貸し出し、その分はお客様は自由に乗れるのだ。

というのもディーラーとしても、整備中や整備確認の際にどうしても車を一定距離走行させることがあるため、お客様に対して無理にガソリン代の請求をすることができないのだ。

ただしお客様がその分を超過して乗る場合には、自腹でガソリンを入れて負担してもらう必要がある。

とはいえ中にはレンタカー業者のように、最初から満タンで貸し出しをしておき、返却時も満タン状態を求める業者もいるため、借りる際には先に聞いておくと良いだろう。

5.代車がパンクしたらどうすればいいのか

代車がパンクしてしまった場合、基本的にはあなたが何か負担することはない。

というのも代車はディーラーの所有物かつディーラーが整備をしている車両であるため、パンクしてしまった責任はディーラーにあると考えるのが普通だからだ。

そのためパンクしてしまった時点ですぐにディーラーに連絡を入れ、パンク補修もしくは第二の代車を依頼することになる。

とはいえディーラー側から悪質な運転によるパンクだと判断された場合には、タイヤ代や修理費用の弁償を求められることになるため、無茶な運転は決してオススメしない。

6.高グレードや高級車を代車で借りることはできるのか

代車を借りるとき「できれば高グレードや高級車を借りたい」と思うのは誰もが同じだ。

そこで借りられるのか、先に結論を述べておくと「可能な場合もある」ということになる。

というのもディーラーは

  1. 代車専用車
  2. 新品の試乗車を代車として貸し出す

という2つのパターンで代車を用意することが普通なのだが、後者の場合にはお目当ての代車が借りられる可能性があるのだ。

とはいえディーラー側に

  • このお客様に貸すことで、その車が売れそう
  • お客様との付き合いが深く、それぐらいの要望は聞いた方が良い

と判断される場合でなければ、希望通りに代車を借りることはできないだろう。

そのため、どうしても試乗車を代車として貸し出してほしい場合には、「この車を狙っているため、今回の車検の際は代車をこの車にして1日乗らせてほしい」と伝えると効果的といえる。

7.代車でチャイルドシートはあるのか

代車にはチャイルドシートの貸し出しサービスは基本的になく、「車そのものの貸し出しだけ」というのが普通である。

そのためチャイルドシートが必要な場合には、代車と自分の車を入れ替えるタイミングでチャイルドシートそのものも入れ替える必要がある。

ちなみにトラックなどの商用車を代車で借りる場合、最低限の付属品(シートやロープなど)の貸し出しはされることが多い。

8.代車でにおいが気になる場合はどうすればいいのか

代車のにおいが気になる場合には、正直に「においが気になるため変えてほしい」ということがオススメだ。

サービスの性質上、ディーラーや整備工場は「代わりとなる車を提供する」ということが重要になるため、基本的にはあなたの希望に沿った車を用意してくれる。

とはいえディーラーにも代車の種類や台数には限界があるため、どうしても希望に合致しない場合には「車を絶対に使わない1日で車検などをしてしまう」という対応を取り、代車そのものの貸し出しをしないケースもある。

9.スタッドレス付きの代車はあるのか

スタッドレスなど、特殊仕様のタイヤ付きの代車に関しては「雪国の冬シーズンであれば借りられる」ということになる。

つまり一般的に雪の降らない地域では、基本的にスタッドレス付きの代車を借りることは困難であると考えた方が良い。

とはいえディーラーや整備工場にもよるが、スタッドレスはなくても「タイヤチェーンを用意している」というケースもある。

ただしすべてのディーラーや整備工場で対応しているわけではないため、必要な場合には事前に確認をしておくことをオススメする。

5.まとめ

以上、代車に関する解説を終了するが、最後に当ページの内容をまとめておこう。

  • 代車は「整備などで自分の車を預けるときに借りられる“足車”」である
  • 有料の代車もあるが、それはレンタカーで「わ(れ)」ナンバーである
  • 代車を借りるときと返却のときには、傷や凹みの有無をしっかり確認すべき
  • 代車で事故などを起こすと自分の保険で補償をするため、充実の補償で最も安い自動車保険に加入しておくと安心
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