
「職権打刻」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
これは主に車の査定や中古車販売に深くかかわる言葉であり、意味も知らずに車売却や中古車購入をしてしまうと「大幅な損をする可能性がある」。
とはいえ職権打刻は、国土交通省の運輸支局にてされる「公式の手続き」ということができるため、決して何か怪しいものではない。
そこで今回は、自動車ディーラーの営業マンである筆者が、職権打刻について詳しく解説していこう。
車で商売をしている人以外には聞く機会の少ない職権打刻だが、知っておくことで余計な損をすることがなくなるため、ぜひ最後までしっかりご覧になることをオススメする。
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1.職権打刻とは何か
職権打刻を説明する前に、まずは自動車に付与される「車台番号」について説明しておこう。
車台番号はご存知かもしれないが、「車そのものの個体番号」のことを表しており、すべての車が異なった番号を付与される。そして車台番号は車検証上に記載されるとともに
- 車のボディのプレートに記載
- 車のシャシー(またはボディ本体のどこか)部分に記載
など、様々な部分に記載がされる。
その中でもシャシー部分に記載されるのは、打刻と言って「シャシーそのものに車台番号が刻まれている」のだ。


とはいえしょせん金属であるシャシーは、何かしらの理由で打刻部分にキズが付くと、簡単に車台番号は消えてしまう。
そこで登場するのが「職権打刻」なのだ。
というのも日本で車検を通し、車を走行させるためには「車台番号」が必須なのだが、上記のように車台番号が識別できないケースは少なくない。
そのため国土交通省の陸運局が権限を持って、特別に車台番号を付与させ、これを職権打刻と呼んでいるのだ。
つまり職権打刻とは「きちんと個別の番号を持つために、国から新しく車台番号が付与されること」と覚えておけば問題ない。
そして国から実施される手続きのため、特に何か不正を働くわけではないのだ。
ちなみに職権打刻がされた車は、新しく打刻された車台番号が「国[01]123456」というように漢字混じりで表記されるため、一目で分かる。
とはいえ実際のところ、職権打刻をすることは大きなリスクが伴う。
そこで次章では職権打刻によるリスクについて詳しく説明していこう。
2.職権打刻車3つのリスクケース
職権打刻は公式な手続きであり、「国が車を認める」ということに変わりはない。
しかし実際のところ、職権打刻された車を「売却する」「中古車として購入する」といった場合には、大きなリスクが伴うのが現状だ。
というのも職権打刻される車は
- 盗難車として車台番号が消されているケース
- 塩害や老朽化で消えたケース
- 並行輸入車であるケース
というケースが多いからだ。
詳しくは以下に分けて説明していこう。
リスク1.盗難車として車台番号が消されているケース
盗難車は「足がつかなくする」という目的のもと、最初に打刻されていた車台番号を消してしまうことが多い。というのもしょせん金属部分への打刻となるため、やすりなどでガリガリ削ってしまえば「盗難した車」としての個体番号を消すことが可能となるからだ。
そのため仮に盗難車を商品として販売する場合には、職権打刻をしなければ「日本国内で乗ることはできない」ということになる。
つまり言い換えると、職権打刻がされている車両は「盗難車の可能性がある」と判断され、価値が大幅に下がると思ってもそん色ないのだ。
また仮にあなたが中古車として職権打刻車を購入する場合には、知らなかったとしても犯罪の片棒を担がされる可能性があるため、十分に注意する必要がある。
リスク2.塩害や老朽化で消えたケース
雪国などの地域では、車台番号が刻印されているフレーム部が、塩害によって腐食されているケースがある。また古い車に関しても同様に、フレーム部が腐食されていることは珍しくない。
その結果として職権打刻により、新しい車台番号が付与されることがあるのだ。
ただし打刻がされるフレーム部は、車の骨格といえる部分であるため、「腐食していた」という事実から車の価値が低いと判断される。
そのため売却を検討する場合には最初から価値が低く、中古車として購入する場合には「フレームを含めて全体的に傷んでいる可能性が高い」と思っておいた方が良いのだ。
リスク3.並行輸入車であるケース
並行輸入車という言葉をご存じだろうか。
並行輸入車とは、日本にある正規ディーラーで取り扱いがなく、外国から個別に輸入してきた車のことを指している。
例えば
- 北米トヨタでしか販売されていないあの車を個別に輸入したい
- ベンツの本国仕様モデルが欲しい
- ワーゲンの昔販売されていたモデルが欲しい
などの場合に、個別で輸入すると「並行輸入車」ということになるのだ。
そして並行輸入車は新車で輸入されることも多いのだが、日本の規格に合致する車台番号を保有していないケースが多い。
その場合、新たに個別の車台番号を職権打刻されてしまう。
とはいえいくら新車時に職権打刻をされたとしても、実際には上記のケースと同様に職権打刻をひとくくりにして「価値が低い」と判断されることが多い。
ただし、車種によっては日本国内で極めて人気が高い場合もあるため、並行輸入車では「すべてのケースで価値が低くなるわけではない」ということは覚えておいてほしい。
以上が職権打刻をする主な3つのケースに関する解説だったが、基本的には「職権打刻がされる理由は基本的に価値が下がるものばかり」ということが理解できただろう。
そのため並行輸入車の一部を除いて、基本的には職権打刻=価値の低い車と見て問題ない。
とはいえあなたが乗っている車の車台番号が、消えてしまいそうな場合には職権打刻が必要な場合もある。
そこで次章では、職権打刻をしてもらう方法について解説していこう。
3.職権打刻をする3つの手順
車台番号は車の個別番号であると何度も述べてきたが、いわば「身分証明書」だと思ってほしい。
そのため車台番号が消えてしまいそうな場合には、必ず職権打刻をしなければならないのだ。
ちなみに「消えてしまいそうな場合」とは、先程載せておいた車台番号の写真とは別に、「目視で見えないor見えにくい状態」である。
そして実際に職権打刻をしてもらう手順は、下記に箇条書きした通りである。
- 現車確認
- 打刻申請および打刻
- 打刻日に変更登録申請
以下、それぞれを分けて説明していこう。
手順1.現車確認
まずナンバーの登録がされている陸運支局で、現状の車台番号の打刻を確認してもらう。
そして「車台番号が確認できない」と陸運支局の担当者が判断した場合、次の打刻申請に移る。
手順2.打刻申請および打刻
次に職権打刻の申請をしていく。
職権打刻の申請に必要な書類は
- 職権打刻申出書…陸運支局の窓口で入手
- 製造証明書…自動車メーカーや購入先のディーラーに問い合わせて入手
- 車検証コピー
- 旧車台番号打刻の拓本または写真…ディーラーにて取ってある可能性があるため、問い合わせる
の4種類だ。
ただし例えば4つ目の「打刻の拓本」などに関しては、そもそも入手困難であるケースもあるため、「揃えられる書類だけで陸運支局と相談する」という形になるようだ。
実際に筆者自身、ディーラーで仕入れた中古車に職権打刻をしてもらう際、陸運支局の担当者と相談のもと拓本なしで受付をしてもらえた。
またこれらの書類をそろえて申請をしてから、実際に打刻されるまでは「その日中」であることが多いため、最短で1日あれば完了すると思っても良いだろう。
手順3.打刻日に変更登録申請
新しく職権打刻をしてもらったその日に、車検証上に記載されている「車台番号」を「職権打刻による新番号」に変更しなければならない。
そして車検証上の記載事項を変更するのに必要な書類は、下記の通りである。
- 手数料納付書…印紙代350円程度で、陸運支局で入手可能。
- OCRシート…申請に必要なマークシートで、打刻する箇所や種類によって用紙が異なる。そのため陸運支局の担当者に「必要なOCRシートを持ってきてほしい」と伝えると確実。
- 委任状…書類自体はディーラーや陸運支局で入手可能。ただし所有者および使用者の印鑑が必要。
それぞれあらかじめ用意しておくと、打刻を受ける日中に完了するため、スムーズである。
また職権打刻に関しては、正直なところ「手続きや打刻ヶ所によって必要書類が異なる」という現状もあるため、筆者としては
- 必要書類のメモ
- 陸運支局内でそろう書類のすべて
を担当者に依頼して、もらっておくことをオススメする。
以上が職権打刻をするための手順だったが、すでに職権打刻をしてある車に乗っている場合、売却するときには「安くなる」ということは決まっている。
そこで次章では、職権打刻のある車を高く売るための方法について、プロ目線で解説していこう。
4.職権打刻車を高く売るなら「一括査定」しかない
職権打刻車は一般的に「価値が低いと判断される」ということは先ほど述べたが、実はJAAI(一般財団法人日本中古車査定協会)では、職権打刻車を「全体の価値から30%分減点させても構わない」としているのだ。

つまりたとえ商品価値が200万円分の車でも、職権打刻がされるだけで140万円のかちしかなくなってしまうということになる。
そのため車査定のルール上、最初から30%は低く査定されていると考えてほしい。
とはいえ高く売却することは、決して不可能なことではない。
というのも、いくら職権打刻車だったとしても、需要のある買取店に売れば高く売れるからだ。
つまり「職権打刻車でも高値を付けてくれる買取店が見つかるまで探す」ということで、間違いなく高値で車売却をすることは可能になる。
とはいえ現実的に考えると、いくつもの買取店をまわって探し続けるのは、面倒くさいだろう。
そこで筆者がオススメするのが「車一括査定」というサービスである。
サービスの詳細は下記にしていくが、間違いなく最高額を引き出して職権打刻車を売却することが可能になるだろう。
車一括査定とは「複数の買取店」に同時依頼できるサービス

そして名前からもおおよその内容は推測できるだろうが、サービスと提携している何百~何千社もの車買取店の中から、あなたの地域に対応している複数の車買取店に車査定を一括して依頼できるのだ。
またサービスと提携しているほとんどの車買取店は、無料の出張査定サービスに対応しているため、あなたは自宅にいながら一気に複数社を競合させられる。
そのため「一度の申し込みをするだけで、最高額が得られる方法」ということができるのだ。
申し込み方法に関しても非常に簡単で、
- あなたが乗っている車に関する情報(車種や年式、総走行距離など)
- あなた自身に関する情報(出張査定先の住所や氏名など)
を入力するだけであるため、1~3分程度の時間があれば申し込みを完了させられる。
以上のことから車一括査定を利用することで、へこみのあるあなたの車は「最短時間で最高額を得ることができる」ということになるのだ。
申し込みは非常に簡単で、誰でもササっとできる。
そのためぜひ一度利用して、満足のいく価格提示を受けてほしい。
とはいえひとつだけ問題もある。
それは「車一括査定のサイトはいくつもあるため、どこがオススメなのか分からない」ということだ。
そこで最後に、当サイトで紹介している車一括査定サイトの中から、オススメなものを紹介しておこう。
車一括査定を徹底比較
車一括査定をオススメしたのはいいが、じつは買取店ほどではないにしても、いくつかのサイトが存在する。
主要な車一括査定6つをまず見てほしい。
下記にそれぞれの車一括査定を比較した一覧表を載せておく。

それぞれの比較一覧表をご覧になると、例えば
- カーセンサーの提携業者数は圧倒的に多い
- 楽天オートは楽天ポイントがもらえる
- ユーカーパックは買取業者からの電話がない、申込み直後に買取相場を知ることができる
- ズバット車買取は申し込み直後に買取相場を知ることができる
- カービューは車一括査定を最初に始めた運営サイトで歴史が長い
- ナビクル車査定は買取業者を厳選している
という特徴に気付くことができるだろう。
実際にこれらの特徴はすべて各車一括査定の「強み」といえる部分だ。
といえば、これらの特徴をご覧になるだけでは、本当にオススメの車一括査定がどれなのか分からないはずだ。
そこで筆者が車査定のプロとして最もオススメできる車一括査定TOP3を紹介する。
車一括査定のオススメは「カーセンサー」

http://www.carsensor.net/
最もオススメの車一括査定はタイトルの通り「 カーセンサー 」と結論付けている。
なぜなら「1,000件を超える圧倒的な業者と提携しているため、最も自分に合った買取業者を探しやすく最もお得になる可能性が高い」といえるからだ。
依頼でポイントがもらえる「楽天オート」

https://auto.rakuten.co.jp/
楽天オート の車一括査定は、「ポイントがもらえる」という特徴が大きい。
そして得られるポイントは
- 申し込みをして5ポイント
- 申し込み後に制約をしたら1,500ポイント
であり、ハードルがとても低い。
提携している買取業者数はカーセンサーと比較して見劣りする。
買取業者からの電話なし「ユーカーパック」

https://ucarpac.com/
ユーカーパック は他の車一括査定とは少し色が異なる。
ユーカーパックの特徴は、車一括査定のように買取店からの電話ではなく、ユーカーパックからのみしか掛かってこない。
この車買取店から一斉に電話がかかってこない点が評価することができる。
さらには、5,000社以上もの車買取業者と提携してのも評価ポイントだ。
ただし、前述したカーセンサーと比較すると、提携している業者の多くが「大手買取業者ではない」という欠点がある。
以上、筆者がオススメする車一括査定に関しての解説を終了する。
ご覧になると「いくつもある車一括査定にはそれぞれ特徴があり、ポイントを抑えておくことで確実に金銭的にも、精神的にもお得になることができる」ということが分かったかと思う。
そして再度結論を述べますが、筆者としては最もオススメな車一括査定は「 カーセンサー 」であり、確実に最もお得な車買取業者を探すことで「数十万円以上も高く車買取してもらえる」ということができる。
申し込みにかかる時間も2分程度と、本当に短時間で簡単に申し込みを完了させることができる。
そのため、ぜひ一度試してみてほしい。
「こんなにお得になるのか!」とビックリするかもしれない。
5.まとめ
以上、職権打刻についての解説を終了するが、最後に当ページの内容をまとめておこう。
- 職権打刻とはもともとも車台番号が見えなくなった場合に、新しく公式に発行される車台番号のこと
- ただし職権打刻をされると、価値が下がったと判断される
- 職権打刻の手続きは陸運支局の担当者の指示に従い、その場でメモや必要書類をもらうと確実である
- 今職権打刻の車に乗っている場合は、少しでも高く売却するために「車一括査定」の活用がオススメ