自動車保険の等級の仕組みと損得ポイントを元保険営業マンが解説

B!

自動車保険には「等級」という制度がある。

しかしこの等級には、様々な特徴があるため「正しく理解しなければ損する」ということができるのだ。

そのためあなた自身、下記のように自動車保険の等級について知りたいと思っているだろう。

  • 自動車保険の等級について、概要だけ教えてほしい
  • 自動車保険の等級にはアップ・ダウンがあると聞いたけど、それによってどうなるのか知りたい
  • 自動車保険の等級で損得があると聞いたけど、得するために必要な知識を教えてほしい
  • 自動車保険の等級だけではなく、絶対にお得で損しない方法を知りたい

そこで今回は、自動車保険の営業をしていた筆者が、等級について詳しく解説していこう。

実際にお客様に紹介するように分かりやすく説明していくため、あなたも当ページをご覧になれば間違いなく等級のすべてを理解できるだろう。

また正しい知識を身に着けておけば、間違いなく損することが無くなるので最後までご覧いただきたい。

1.自動車保険の等級は1~20等級

自動車保険の等級とは、簡単に説明すると割引率を表したレベルのようなもので、1~20等級が用意されている。

そしてそれぞれに割り振られた割引率は、下記のようになっている。

等級の割引率
画像出典:損害保険料算出機構の「改定後の等級係数(割増引率)」より

この結果、20等級になると最大で63%の割引が適用されることが分かる。

また自動車保険の等級には下記のような特徴がある。

  • 1年間保険を使わなければ1等級ずつ上昇する
  • 新規契約は6等級(条件によって7等級)からスタートする

つまり単純計算で、初めて自動車保険に加入してから14年経たなければお得な割引が適用されないのだ。

また自動車保険の等級は「ダウンすることもある」といえるのだが、それに関係して上記表の「事故有係数」という右側部分の割引率が適用される。

ちなみに等級ダウンと事故有係数については少しだけ難しいため、次章に分けて説明していくので安心してほしい。

また最もお得な割引率となる20等級になるには14年かかると述べたが、実は爆速ですぐに20等級となる方法も存在するため、その点についても後述していくので楽しみにしておいてほしい。

そのためまずは

  • 1年に1等級だけ上昇する
  • 20等級になると大幅に保険料が割引される

ということだけを覚えて、次章の等級ダウンに進んで欲しい。

2.自動車保険の等級はダウンすると「保険料大幅アップ」

自動車保険は等級ダウンという概念がある。

そして等級がダウンするということは、単純に「割引率が下がる=保険料が高くなる」ということになるため、重要なポイントといえる。

また等級ダウンをする条件としては、単純に「契約期間中に自動車保険による補償を受けた」という場合である。

つまり事故などによって自動車保険を使うと、翌年度の契約から等級ダウンが適用されるのだ。

そしてここまで説明してきた等級ダウンには、大きく分けて下記の2種類がある。

  • 1等級ダウン
  • 3等級ダウン

それぞれ分けて適用される条件を紹介していこう。

1等級ダウンが適用される条件

1等級ダウンが適用される条件は、下記のようなケースで車両保険を使用し、補償を受けた場合になる。

  • 火災、爆発
  • 盗難
  • 落書きやいたずら
  • 飛び石による窓の破損
  • 飛来している物体との衝突
  • 台風、竜巻、洪水、高潮

ご覧になると何となくわかるかもしれないが、「自分ではどうしようもなかった場合」に車両保険を使って補償されると、1等級ダウンになると覚えておくと分かりやすいだろう。

3等級ダウンが適用される条件

一方、3等級ダウンが適用される条件は、単純に事故などによって

  • 他人を死傷させた
  • 他人のモノを壊した
  • 自分の車を壊した

といったほとんどのケースで適用される。

そのため一般的には、自動車保険を使った=3等級ダウンが適用されると思っても、ほとんど間違いないのだ。

以上の説明から、各等級ダウンの適用条件については簡単に理解できただろう。

しかし実はこの等級ダウンがされるときに、先ほど一覧表で見せた「事故有係数」という部分が関係してくる。

そこで続けて事故有係数についても説明していくので、そのままご覧いただきたい。

等級ダウンには「事故有係数」が付与される

先ほど筆者が載せた一覧表をもう一度ご覧いただきたい。

等級の割引率

筆者が赤枠で囲った部分が「事故有係数適用の割引率」というものなのだが、通常の割引率よりもかなり損していることが分かるだろう。

実はこの部分、自動車保険を使って等級ダウンがされた人に対する「ペナルティ割引率」だと考えれば分かりやすい。

そしてペナルティ期間のことを「事故有係数」と呼んでいるのだ。

この事故有係数は、単純に

  • 1等級ダウンの人…1年間の事故有係数が適用(1年分のペナルティ)
  • 3等級ダウンの人…3年間の事故有係数が適用(3年分のペナルティ)

ということになっている。

つまり自動車保険を使って3等級ダウンされた場合には、翌年度の契約から3年間は「保険料の割引率が悪くなる」ということができるのだ。

そのため例えば事故を起こして車の修理をする場合には、修理費用と3年間の保険料アップ分を考えて、自腹なのか保険を使うのかを考えることになる。

※ちなみに保険料アップ分に関しては、保険代理店や保険会社に確認すると数十秒ですぐに試算し、結果を教えてくれるので安心してほしい。

また念のため3等級ダウン事故をした場合の事故有係数を加味した、保険料の試算比較結果は下記の通りだ。

通常時
年間保険料(円)
3等級ダウン
事故有3年の保険料(円)
上昇額(円)
111,540 164,850 53,310

※加入条件

  • 現在の等級:15等級
  • 車種:ステップワゴンスパーダ(RP3型)
  • 主な使用用途:通勤・通学使用
  • 免許証の色:ゴールド
  • 年齢条件:26歳以上補償
  • 運転者の範囲:本人・配偶者限定
  • その他補償内容:損保ジャパンの補償充実プランを選択

翌年度分だけでも5万円以上の保険料アップとなってしまうため、3年分で単純計算すると15万円以上となる。

そのため事故を起こし、補償を受けることは「等級的にもかなりの大損」と思っておいた方が良いだろう。

以上、自動車保険の等級の仕組みについて紹介してきたが、等級のアップ・ダウンについては大まかにイメージすることができただろう。

しかし実は自動車保険による補償を受けた場合でも、等級のダウンがされないケースもある。

それを「ノーカウント事故」と呼ぶのだが、簡単に下記に説明しておこう。

自動車保険を使っても±0のノーカウント事故

自動車保険を使ったとしても、特定の条件がそろえば「ノーカウント」として等級上のプラスマイナスをゼロにしてくれる。

その条件とは、下記に箇条書きした特約のみ(もしくは下記の特約の組み合わせだけ)を使用した場合である。

  • 人身傷害…事故によるケガの治療費などを実費で補償してもらえる
  • 搭乗者傷害…人身傷害に+αで、定額補償をしてもらえる
  • ファミリーバイク特約…原付バイクの保険特約で、自動車保険に付帯させられる
  • 弁護士費用特約…100:0事故の被害者となって保険会社が示談交渉できない場合に、代わりに弁護士に交渉してもらえる
  • 個人賠償特約…日常生活などで「お店の物を壊した」などの場合に、弁償代金を補償してくれる

保険会社によっては上記以外にも適用されるケースはあるが、基本的には上記した5つのみを使用した場合にノーカウントとされている。

以上で自動車保険の等級に関する仕組みの説明を終了するが、最初に「爆速で最大20等級にすることができる」と述べているように、等級にはその他に「みんなの知らない特徴」がある。

そこで次章では、筆者がプロだからこそ知りえた自動車保険の等級に関するその他の特徴を、分かりやすく解説していこう。

3.自動車保険の等級その他の特徴

自動車保険の等級に関するその他の特徴は下記の通りである。

 
  • 等級は保存が可能
  • 等級は家族からもらうことができる
  • 2台目契約からは「7等級」からスタートする
  • 長期契約をすると等級ダウンを防げる

それぞれ非常に重要で、覚えておくだけでもお得になるため、必ず以下の説明をチェックしておいてほしい。

等級は保存が可能

等級保存
自動車保険の等級は解約する場合でも保存することが可能である。

しかもその期間は最大10年間で、どの自動車保険でも同様である。

そして自動車保険の等級を保存するためには「中断証明書」を保険会社に発行してもらう必要があるが、基本的には解約時点ですぐに発行してくれる。

そのためあなたが現状で車が必要なくなったとしても、中断証明書さえ持っておけば「10年以内に車を所有した時、以前の等級から再開できる」といえるのだ。

等級は家族からもらうことができる

家族から等級をもらう

自動車保険の等級を爆速に上昇させる方法があると述べたが、その方法は意外にも簡単である。

というのも自動車保険の等級は家族間であれば「車の増減車がある場合に限って交換可能」という特徴があるのだ。

そのため例えばあなたが車を購入するタイミングや、親御さんが車を手放すタイミングであれば、「家族の進んだ等級をそのまま交換可能」と覚えておいてほしい。

特に若い人の場合では、6等級スタートという時点で保険料が高くなるのだが、年齢などの条件によっても非常に高い保険料を支払わなければならなくなる。

そのため等級の交換は効果的に実施することがオススメである。

ちなみに現在10等級の娘が父親から20等級をもらったと想定すると、下記のような試算結果となった。

等級 年間保険料(円) 差額(円)
10 79,010 27,140
20 51,870

※試算条件

  • 車種:平成27年12月式スズキワゴンR(MH34S)
  • 年間予定走行距離:1万キロ以内
  • 車両保険:あり(一般条件)
  • 免許証の色:ブルー
  • 使用目的:通勤通学
  • 主な使用地域:愛知県
  • 年齢条件:26歳以上補償
  • 運転者限定:家族限定
  • その他条件:イーデザイン損保のプランC(最も充実した補償プラン)

ただ等級を交換するだけで、年間で27,000円もの保険料差が出たのだ。

そのためもしあなたの家族が等級を交換してくれるというのであれば、必ず交換してもらってお得になることが重要である。

ちなみに注意点として「家族」の定義について覚えておいてほしい。

自動車保険では「家族」が定義されている

自動車保険では「家族」という言葉がよくつかわれるが、その定義は「同居の親族または別居している未婚の子」となっている。

そして間違えやすいのが「別居している未婚の子」という点である。

つまり分かりやすくお見せすると、下記のようなケースで家族の定義に当てはまるのか、〇×で分けることができる。

  • 大学生として別の地方で一人暮らししている未婚の娘…〇
  • 離婚歴があって、別居中の娘…×
  • 同居している従兄弟…〇

また家族の定義としては例外的に「事実婚状態の配偶者」も含まれる。

ただし事実婚状態であることを証明するために、同一生計であることが分かる「水道光熱費の明細」などを用意する必要がある。

2台目契約からは「7等級」からスタートする

セカンドカー割引

実は自動車保険では、6等級ではなく7等級からスタートするケースがある。

それは下記の条件を満たしている場合だ。

  • 家族が所有するほかの車が、自動車保険に加入している
  • 家族の車の自動車保険が、11等級以上である

どちらも満たしている場合には、なんと7等級からスタートすることになる。

そしてこれを「セカンドカー割引」というのだ。

しかも家族の自動車保険と、あなたがこれから加入する自動車保険が違ったとしても7等級からスタートしてくれる。

そのため一人で2台以上所有していなくても、単純に家族単位で2台以上所有していれば「最初からかなりお得に契約できる」といえるのだ。

長期契約をすると等級ダウンを防げる

一部の保険会社が提供する自動車保険では、長期自動車保険というものが提供されている。

そして一般的には3~5年で契約する人が多いのが特徴だ。

そんな長期自動車保険では、何が良いのか気になるだろう。

実は3年なら3年、5年なら5年間分を一気に契約してしまうため、途中で事故を起こしたとしても「すぐに等級が下がらない」ということができるのだ。

また保険料改定があったとしても、契約時点での保険料が適用されるため「契約期間中は保険料が余分に高くなることはない」といえる。

しかしあくまで「契約期間中は」ということになる。

というのも契約期間中に事故を起こしても、翌年の支払いは契約時の金額のままであるが、契約満了後に一気に跳ね返ってくるのだ。

つまり「先に払うのか、後から大きく跳ね返ってくるのか」という違いになる。

そのため筆者としては長期自動車保険は積極的にオススメできず、そうするぐらいなら「お得になるように、毎年自動車保険を見直す」ということがオススメである。

 

以上、自動車保険の等級に関するすべてを解説してきたが、等級の交換などは目からうろこのお得情報だっただろう。

しかし自動車保険でお得になるためには、実は他にもっとオススメの方法がある。

それは「複数の自動車保険見積もりを比較する」ということだ。

実は自動車保険を提供する保険会社の違いによって、補償内容は同じでも「保険料が倍以上違う」というケースもあるのだ。

そのため何社もの保険見積もりを作成し、各社を比較していくことが筆者としてはオススメなのだが、正直なところ面倒くさいだろう。

そこでオススメするのが、次章にて紹介する「自動車保険一括見積もり」というサービスである。

最短時間で最もお得かつ安心な自動車保険を探すにはうってつけのサービスであるため、ぜひご覧になって利用してほしい。

4.お得な自動車保険に加入するなら「自動車保険一括見積もり」がオススメ

自動車保険は前述の通り、提供している保険会社の違いによって保険料が大幅に異なるケースが多い。

そのためお得な自動車保険を探すなら、下記のイメージのように複数の保険会社で保険見積もりを作成し、保険料を比較していくことになる。

1社1社から見積もりを取る

そして自動車保険の素人が保険見積もりを作成すると、1社あたり5~10分くらいかかってしまうため、5社を比較するだけでも1時間近く必要になってしまうことが多い。

正直なところ、それでは面倒くさすぎるだろう。

そこで登場するのが自動車保険一括見積もりというサービスである。

このサービスは、下記のイメージのように「一気にほとんど同条件で保険見積もりが依頼できる」という特徴を持っているのだ。

一括見積もりサービスを利用したイメージ

つまり1回分の見積もり作成と同じ内容を入力するだけで、複数社に対して一気に保険見積もりを作成してもらえるサービスである。

そのため単純に1社の保険見積もりを作成する時間だけで、お得な自動車保険を探すことが可能といえるのだ。

ただし、自動車保険一括見積もりと一言で言っても複数のサービスが存在する。

そこでオススメの自動車保険一括見積もりを紹介していこう。

2024年12月現在のオススメ自動車保険一括見積もりは3つ

当サイトで自信をもってオススメしている自動車保険一括見積もりを下記に箇条書きしておいたのでご覧いただきたい。

オススメの自動車保険一括見積もりサービス

それぞれ大手企業が提供しているサービスで、どれを使っても「間違いなくお得で安心できる自動車保険が見つかる」ということができる。

そのため以下に、2019年1月現在の各自動車保険一括見積もりの特徴をまとめて一覧表にしたので、チェックしておいてほしい。

サービス名 保険スクエアbang! インズウェブ 価格.com
運営企業 ウェブクルー SBIホールディングス カカクコム
上場 ×
最大依頼数 16社 20社 16社
キャンペーン 申込者全員に 魚沼産コシヒカリ2合 ケンタッキー オリジナルチキン 3ピース ※申込者全員 選べる人気家電 ※合計20名様

保険スクエアbang!

保険スクエアbang!
https://www.bang.co.jp/

保険スクエアbang! 」の自動車保険一括見積もりは、元上場企業である株式会社ウェブクルーが運営している自動車保険一括見積もりである。

今は上場していないが、1998年から20年以上も運営されているサービスであるため、信頼度が高いのは間違いないだろう。

またコシヒカリのプレゼントをはじめ、タイミングによって様々なプレゼントが用意されている。

保険の窓口インズウェブ

インズウェブ
https://www.insweb.co.jp/

オススメする自動車保険一括見積もりの中で、現在最も多くの保険会社を比較できるのが「 インズウェブ 」だ。

なんとその数は最大20社であり、間違いなく最安の自動車保険が見つかるということができる。

また実績としてもこれまでに900万人以上が利用しており、2000年から運営がスタートされているため信頼度はやはり高いと思っても間違いない。

またインズウェブではキャンペーンが「金券相当」であるケースが多く、保険料だけではないお得があるのも魅力といえる。

価格.com自動車保険

価格.com自動車保険
https://hoken.kakaku.com/kuruma_hoken/

価格.com自動車保険 」は「安く何かを購入したい」という人は誰もが知っているサービスで、その中で自動車保険一括見積もりサービスも提供されている。

そして誰もが知っているサービスというだけあって、間違いなく信頼度はバツグンということができるだろう。

ただしネックとしてはプレゼントが「人数限定」となっており、全員がもらえるわけではないという点である。

そのためプレゼントキャンペーンの違いによって、3番目にオススメということができる。

自動車保険の一括見積もりの紹介は下記記事でさらに詳しく解説している。

5.まとめ

以上、自動車保険の等級に関する解説を終了するが、最後に当ページの内容をまとめておこう。

  • 自動車保険の等級は1~20等級まであり、最大で60%以上もの保険料割引が受けられる
  • 自動車保険の等級は、保険を使わなければ1年に1度、1等級ずつ上昇する
  • しかし自動車保険を使って補償を受けると、基本的には1等級または3等級のダウンとなる
  • 等級がダウンするのに伴って、ペナルティの割引率も適用されてしまう
  • 最もお得な自動車保険を探すなら、「自動車保険一括見積もり」というサービスがオススメ
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