車の購入を迷うとき、「まずは乗ってみて走りや質感を確かめたい」と思う人が多い。それは筆者でも同様だ。
そしてディーラーなどで車の試乗をするとき、実は「予約なしで無料の試乗は可能」というのが本当のところである。
しかし実際のところ、いくら予約がなく無料で試乗できるからと言って「好き勝手に試乗してしまうのは危険」といえるのが現状だ。
というのもディーラーでは
- 試乗予約をした方が良いというケースもある
- 試乗車にも種類があるため、事前に聞いておいた方が良いというケースがある
- 試乗車に乗っていて事故をしたときには、思わぬ賠償が発生してしまう
ということができるからだ。
そこで今回は、自動車ディーラーで営業マンをしている筆者が、競合他社を含めた国産ディーラー9社に試乗予約やその他重要事項について調査したので、その結果を紹介していこう。
先に結果のまとめだけお見せする。
- 試乗の予約は必須ではないことがほとんどだが、予約(もしくは今空きがあるか)の確認をしておくと、スムーズに試乗ができる
- 試乗車の仕様は選ぶことができないが、「他店舗への案内」「スタッフの車で確認」「他のお客様の車で確認」などの方法によって、確認することは可能
- 試乗車で事故を起こしてしまうと基本的にはお客様の自動車保険で弁償してもらうが、付き合いによっては見逃してくれるケースも多い
しっかりご覧になっておけば、車の試乗で迷うことなくしっかりと購入の見極めができることは間違いない。
※中古車の試乗については、下記記事をご覧いただきたい。
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- 1.ディーラー9社に聞いた試乗の全容
- Q1.試乗するのに予約はいるのか
- Q2.試乗車の種類は選べるのか
- Q3.試乗車で事故を起こした場合、どうすればいいのか
- ディーラー9社に試乗についての全容をヒアリング
- 2.試乗キャンペーンでは、長期間借りられることもある
- 3.試乗する際の注意点3つ
- 注意点1.他のお客さんも乗っている可能性アリ
- 注意点2.事故すると自分の保険で直すことになる
- 注意点3.アンケートに記入することで、個人情報がディーラーに渡る
- 4.本当に買うなら!試乗で見るべきポイント3つ
- ポイント1.運転席から道路の見え方(見やすいかどうか)
- ポイント2.ブレーキやアクセルの挙動は許容範囲か
- ポイント3.内装(収納など)は許容範囲か
- 5.まとめ
1.ディーラー9社に聞いた試乗の全容
今回筆者が試乗について調査したディーラーは、筆者が勤務するディーラーの近辺にある「他社の競合ディーラー」である。
そして自動車ディーラーは様々な企業が運営しているため「ディーラーごとに対応はバラバラ」という点を、先にお伝えしておこう。
つまり全国的にどのディーラーに行っても「おおむね同様の対応」をされる期待値は高いものの、必ず同じ対応がされるわけではないと思ってほしい。
その点を踏まえて、今回は下記3つの視点で試乗車について調査してみた。
- 試乗するのに予約はいるのか
- 試乗車の種類は選べるのか
- 試乗車で事故を起こした場合、どうすればいいのか
まずは以下にそれぞれのポイントを分けて、何が重要なのか説明していく。
Q1.試乗するのに予約はいるのか
試乗の予約は基本的に「予約していなくても車が空いていれば問題ない」というケースがほとんどだ。
ただし車種によっては発売当初、非常に高い人気であるため予約なしで試乗することができないことも珍しくない。
またディーラーによっては上得意先に「代車」として一定期間貸し出しているケースもあるため、予約の確認(もしくは空いているかの確認)は非常に重要ということができる。
Q2.試乗車の種類は選べるのか
試乗車として用意されている車は、正直なところ「車種もグレードもバラバラ」ということができる。
そのためあなたが購入を検討している
- 車種
- グレード
- オプション
がドンピシャで合致することは、ほとんどない。
とはいえディーラーが「他社ではこのグレードがある」など、紹介してくれるケースもあるため、その点について今回は聞いてみた。
Q3.試乗車で事故を起こした場合、どうすればいいのか
試乗車での事故はつきものであり、筆者が勤務するディーラーでも「事故が無いわけではない」というのが現状だ。
そしてディーラーでも基本的には自動車保険を含め「何らかの保険」に加入しているケースが多いため、万が一の事故が起きても大丈夫なようになっている。
ただし事故の度合いによっては、お客様自身に補償を求めるケースもあるため、その点についてディーラーごとに調査してみた。
上記3つのポイントは非常に重要で、それぞれディーラーごとの回答をご覧になってから、試乗を検討してほしい。
ディーラー9社に試乗についての全容をヒアリング
また今回調査したディーラーは、
- トヨタ
- ホンダ
- 日産
- スバル
- マツダ
- レクサス
- 三菱
- ダイハツ
- スズキ
という国産車種を取り扱っているディーラーであり、以下に分けて各ディーラーの調査結果を載せておくので、ご覧いただきたい。
トヨタ
ちなみに顔見知りのお客様の場合、勝手にお貸しして一人で乗って行ってもらうこともあるし、「代車で1日貸してほしい」と言われたら貸す場合もある。
ただしグレードなどはやはり限られてしまうため、選ぶほど選べないというのが現状。
なので例えば「この仕様が見たい」という場合には、まず営業マン全体で乗っている人がいないか確認し、乗っている人がいれば営業マン個人の車を見せることにしている。
・お客様個人の自動車保険に付帯させている車両保険から修理費用を請求
・ディーラー自身が加入している保険で残り分を賄う
ということになる。
なぜなら一応「社有車」という形になっているため、ディーラーとしてもお客様に全負担を強いるのは気が引けるから。
ただし故意の事故や悪意がある場合には、全額を請求するため「気を付けて乗ってほしい」としか言いようがない。
ちなみに上得意様や「この人は確実に購入する」という人の場合には、多少の擦り傷程度であれば請求しないケースが多い。
ホンダ
でも平日などであれば「ヒマ」というのが正直なところなので、来ていただければ全力で案内させていただく。
ただしうちの場合は会社が大きくないので、「全社(4~5店舗)で2台用意」という車種も少なくなく、結果的に「今は他店に貸し出ししている」ということもある。
なので、あらかじめ試乗予約でなくてもいいので、「今車は店舗に置いてあるか」などと聞いていただけるとありがたい。
なので、正直お客様の希望に対して完璧に合致した試乗車を用意することが難しいのが現状。
また当社のように小さな企業が運営するディーラーでは、最上位グレードで全オプションなどで用意することが「予算的にできない」ということも多いため、グレードや仕様は申し訳ない限り。
ただし他社の大手企業が運営している一般的なディーラーなら、ある程度用意されているかもしれない。
ただし小さな傷や凹みは無視して「試乗車落ちとして売るときに直す」ため、実はあまり気にしないケースが多い。
日産
でも形式として「基本的に」というだけで、その場で来てもらった場合でも
・その場で予約を取る
・予約時間(空きがあればすぐ)に試乗開始
という流れとなるため、試乗車そのものに空きがあれば実質「予約していなくても乗れる」ということになる。
ちなみに土日はあらかじめ営業マンが出払っているor商談中という場合が多いため、できれば先に試乗予約をしてもらえると助かる。
ただ、2社間で協力協定のようなものを結んでいるため、「A社の日産には無いけど、B社から借りる」といった対応をすることもある。
しかし他社から借りるときには少なからずお金が発生するため、上得意先や購入の最終段階に進んでいるお客様にしか案内しない。
またグレードに関しては、あまり言ってはダメだが「点検などで入庫しているお客様の車で確認してもらう」というケースもある。
ただし明らかに悪意がある場合などはその限りではない。
一応、試乗前に説明もしているが、当社では
・試乗前に細かな傷・凹みなどの確認
・試乗後に再度確認して有無を見る
・傷や凹みなどがあれば弁償
という流れになるのが一般的
スバル
なので突然来て、突然試乗する方がほとんど。
その時に営業マンが対応できなければ、事務のお姉さんが対応する。
ただし確実に来る日時が決まっているのであれば、仕様の説明などは営業マンの方が上手なため、先に連絡を入れておくと確実。
・上位車種…上位グレードでオプションフル装備
・低~中位車種…中位グレードで、オプションは「良く出るもの」
というケースが多い。
なので、その他のグレードやオプションに関しては、展示車やカタログ、スタッフの車で真摯に説明している。
多店舗から借りるといった対応は基本的になく、見たければ仕方ないので「多店舗で見てください…」ということになってしまう。
なので対応については一般的なことしか分からないが、
・お客様の自動車保険で修理
・お得意様だと、見て見ぬふりをする
・「見て見ぬふり」をしたふりをして、見積もり上の値引きを低くする
といった対応を自分ならする。
ただ、正直なところ「お客様に請求しづらい」というのが本音なので、実際に事故が起きたら無視してしまいそう…。
マツダ
なのでいつ来ても大丈夫だが、予約をしておいた方が間違いなく乗れる。
ちなみに他のお客さんが乗っている場合には、最大で1時間以上待たされることになるため、当社としては予約をオススメする。
なので他社が経営するマツダは知らないが、まず軽自動車は乗れないと思った方が良い。
ただ普通車ラインナップでは上位グレードとオプションも多数装備しているため、ほとんどのお客様が確実に試すことが可能。
ただしガソリンモデルとディーゼルモデルのある車種は、売りたいのが「ディーゼルモデル」であるため、ディーゼルのみの試乗となるケースが多くなる。
なので自動車保険に付帯させている車両保険の活用や、自腹での修理になる可能性が高い。
ただしあまり大きな声では言えないが、お客様に強気で出られると、見逃してしまうことも少なくない。
またお客様が「せっかく購入したかったのに、修理でお金がかかるならやめておく」という態度を取られると、営業マンとしては釣れた魚を逃してしまうことになるため、見逃すケースが圧倒的に多い。
レクサス
ただし突然来て突然試乗だけしてもらうのは「ユーザー様以外」には遠慮している。
なので商談の中の流れでお願いしたい。
ちなみに商談含めて試乗予約は、現在レクサスユーザーとなっている方から紹介していただくと、スムーズに話がしやすい。
ただし当社の在庫車となっている認定中古車で、他グレードを確認してもらうことも可能。
ただしケースバイケースでディーラーが負担することもあるため、何とも言えない。
三菱
正直今は三菱全体が売れていないので、土日でもヒマなことがしばしばあるため、割といつでも乗れると思っても良い。
・ekワゴン
・デリカD:5
・アウトランダー
ぐらいの試乗車しか置いていない。
またどれも中級グレードであるため、選べるほどの仕様はないと思ってほしい。
ただ三菱ユーザーのお客様はコアなファンが多いため、当社だけかもしれないが「試乗のために貸してくれる」という方もいる。
それぐらいしなければ三菱車なんて売れないし、お客様に請求するのも難しい問題であるため。
ただ、どこのディーラーも基本は「お客様に修理費用は請求」となっているはず。
ダイハツ
というのもダイハツのように軽自動車メインだと、気軽に試乗される方が多いため、確実に試乗車を確保するのが難しいから。
ただし平日の日中などに関しては、お客様も落ち着いているため、待たずに試乗することもできる。
なので本当は嫌だが、どうしても別のグレードに乗りたいという場合には、営業マンが知っている
・ダイハツの他店舗
・ダイハツのモータース
を案内して試乗してもらうしかない。
ただしモータース店などの場合にはお客様との付き合いが非常に重要になるため、その場合には特におとがめなしで終了するケースもある。
スズキ
なので当社の試乗車の場合、比較的自由に使ってもらっても問題ないといえる。
実は土日でも同じ対応であるため、「早い者勝ち」という感じは否めない。
そのためどうしても試乗車を確保しておきたい場合には、予約をしておくとその通りに対応する。
ただし色などを確認したい場合には、他のお客様が購入した際に「試乗抜きで色や仕様だけ見せる」ということは実施している。
というのも試乗車に乗りたいお客様は、そもそも当社と深い付き合いのある方ばかりであるため、事故をしたからと言って余計な費用を請求できないのが現状。
また当社では板金塗装などの設備もあるため、多少の修理であればほとんどお金をかけずに実施することが可能であることも理由の一つ。
以上が各ディーラーに筆者が調査した結果だったが、どのディーラーもまとめると下記のようになる。
- 試乗の予約は必須ではないことがほとんどだが、予約(もしくは今空きがあるか)の確認をしておくと、スムーズに試乗ができる
- 試乗車の仕様は選ぶことができないが、「他店舗への案内」「スタッフの車で確認」「他のお客様の車で確認」などの方法によって、確認することは可能
- 試乗車で事故を起こしてしまうと基本的にはお客様の自動車保険で弁償してもらうが、付き合いによっては見逃してくれるケースも多い
もちろん今回調査した店舗からの回答ではあるが、どのディーラーも同じような回答をしているということは、全国的にも「似たような結果となる」と思っても間違いないだろう。
そしてここまでの説明で試乗の予約や、その他重要なポイントについて理解できたため、次章では「キャンペーンによる長期貸し出し」について紹介していく。
2.試乗キャンペーンでは、長期間借りられることもある
試乗と言えば基本的に「その場数分~1時間程度」という時間制限がされる場合が多い。
しかしメーカーの戦略によって、長期間にわたって試乗することが可能なケースもあるのだ。
実際に2018年7月現在、筆者が各社のホームページ上で調べたところ、下記の2社で長期試乗キャンペーンが該当した。
- 日産リーフ…1泊2日
- レクサスNX、RX、CT、IS…8/10~8/16までの17日間(※現在の応募は終了)
また、以前は三菱のアウトランダーPHEVが、試乗キャンペーンとして1週間の貸し出しをしていたなど、メーカーが本当に売りたいと思っている車種に関しては、稀に長期貸し出しをしているケースがあるのだ。
さらに言うと、ディーラーの試乗車は「運営している企業の判断に一任される」というケースが圧倒的に多いため、意外とお願いすれば簡単に貸してくれるケースもある。
例えば筆者が勤務するディーラーの場合には、お客様が「買う気のある人」だと判断された場合で、さらに翌日の予約などが無い場合は1泊2日程度であれば簡単に貸し出しをする。
また車検などのタイミングでは、お客様から要望があれば代車として貸し出すこともある。
そのため面倒くさいかもしれないが、長期で試乗車に乗ってみたい場合には、一度ディーラーに「買う気がある」という態度を前提に、長期貸し出しを依頼することをオススメする。
ディーラーも購入希望のお客様を見放したくはないため、必ず快い対応をしてくれるだろう。
ただこれまでの説明から、試乗をする場合に事故のリスクや「予約が埋まっていて借りられない」というケースがあることは分かったと思う。
その点を踏まえて、さらに試乗する際の注意点を深堀して紹介していこう。
3.試乗する際の注意点3つ
試乗する際の注意点は、下記に挙げた3つである。
- 他のお客さんも乗っている可能性アリ
- 事故すると自分の保険で直すことになる
- アンケートに記入することで、個人情報がディーラーに渡る
それぞれ以下に分けて説明していこう。
注意点1.他のお客さんも乗っている可能性アリ
試乗車では当然ながら「他のお客さんが乗っている」ということが多い。
そのため質感などは新車同然ではあるものの、「前の人が乗っていたゴミ」や「前の人が付けた汚れ」などがそのままになっているケースも珍しくない。
また前の人が乗っていて、すぐにあなたが試乗する番になると、「前の人のにおい」が残っているケースも珍しくないのだ。
もちろんディーラーも注意しているとはいえ、間違いなく新車状態で試乗が可能だと思わないことが重要である。
注意点2.事故すると自分の保険で直すことになる
先程の調査結果でも分かったかと思うが、事故をすると基本的には自分の保険から直すことになる。
ルール上はたとえどのような小さな事故であったとしても、基本的にはあなたの保険で直すことになるため、事故を起こすと翌年度の保険料がグッと上がることは覚悟しておいてほしい。
そのため事故を防ぐためにも、筆者としては
- 広い道路
- 車通りの少ない道路
- 右折信号のある道路
など、極力事故の可能性の低いコースで試乗することをオススメする。
ディーラー側がコースを指定することも多いが、その場合にはそのコースの運転しやすさについて十分に聞き、上記を満たしていない場合には「できれば広い道路が良いのですが…」と一言述べておこう。
そうすれば仮に狭い道路を走行させられて事故を起こしても、「広い道路を希望したのに無視された結果の事故だ」と言って、弁償を免れられる可能性がある。
注意点3.アンケートに記入することで、個人情報がディーラーに渡る
ディーラーで試乗をすると、間違いなくアンケートに記入させられる。
そのためあなたの個人情報がディーラーに渡ってしまうのだ。
ディーラーとしては個人情報を入手し、「購入予定者予備軍」として管理したいと思っている。
つまり個人情報をもとに、余分な営業行為を受ける可能性が高いといえるのだ。
アンケートに記入する内容としては
- 氏名、住所
- 電話番号
- 今乗っている車の車種、年式、走行距離、車検時期
- 試乗の目的(買い替え、購入検討、ただ乗りたいだけ、など)
などの項目を埋めていくことになる。
もちろん嘘の情報を記入すれば余分な営業行為を受けることはないが、「次に試乗をしたいと思ってもできなくなる」というリスクがあるため、できれば本当の情報を記入すべきだろう。
ちなみに「購入希望ではないため、こちらが迷惑だと思う営業はしないでほしい」と明記しておけば、よほど重大な事情が無い限り営業を受けることはないため安心してほしい。
また試乗をしてから本当に購入検討をする場合には、次章にて説明する「試乗時に見るポイント」をしっかりチェックすることをオススメする。
4.本当に買うなら!試乗で見るべきポイント3つ
試乗するときに見るポイントは、主に下記の3つである。
- 運転席から道路の見え方(見やすいかどうか)
- ブレーキやアクセルの挙動は許容範囲か
- 内装(収納など)は許容範囲か
それぞれが「普段の使い方」について深くかかわる部分であり、安全性や快適性をイメージするのに重要な部分となるため、必ずチェックしてほしい。
またこちらに関しても以下に分けて説明していくので、引き続きご覧いただきたい。
ポイント1.運転席から道路の見え方(見やすいかどうか)
運転席から道路の見え方に関しては最も重要で、運転のしやすさに直結する。
そのため運転席に座り、
- ノーズ部分(ボンネット部分)の長さが気にならないか
- 道路の白線はしっかり視認できるか
- 運転席から車幅を感じることができるか
といった点をチェックしてほしい。
ちなみに見えにくい場合でも、シートに付属している機構をいじることで、座面の高さを変更することができるため、調節することで見え方は大きく変わる。
また機構だけではなく、座布団などを挟むと視認性が上がるケースもあるため、背の小さい人は座布団などを用意しておくと確実だろう。
ポイント2.ブレーキやアクセルの挙動は許容範囲か
車の運転に直結する部分として、ブレーキやアクセルといった挙動に関係する部分は非常に重要だ。
そのため試乗時には
- アクセルを踏んで、自分の許容範囲を超えて進みすぎないか
- ブレーキは安全運転に支障をきたさない程度に効くか
という点についてチェックするべきである。
どの車もメーカーがきちんと生産しているため、よほどのことが無い限り予想外の結果となることはないが、あなた自身が「自分の予想を超えておらず、安全運転には支障がない」と判断できない限り購入すべきではない。
逆に安全運転が十分にできそうだと感じたならば、その車は「あなたに合っている」ということができるだろう。
ポイント3.内装(収納など)は許容範囲か
試乗するときには忘れがちなのだが、車は日々使う乗り物となるため、内装の中でも特に収納に関してはきちんとチェックすべきだ。
具体的には、あなたが今自分の車に積んでいる荷物を考えて、そのすべてが問題なく載せられるか、もしくは最低限載せられれば問題ないかを考えてほしい。
筆者の場合には
- ゴルフのキャディバッグ
- ベビーカー
- ベビーシート1つ
- 各席のドリンクホルダー
- 運転席周りにDVDを10枚程度収納できるスペース
が最低限の条件である。
そして試乗車では荷物の積載の可否について、試させてくれることも多いため、明確なイメージを持つためにも「一度試しに荷物を載せさせてください」とお願いすべきだ。
そうすると、購入後に公開する可能性がグッと低くなるだろう。
5.まとめ
以上、試乗車の予約や、その他のチェックポイントに関する解説を終了するが、最後に当ページの内容をまとめておこう。
- ディーラーによって異なるが、試乗の予約は必ずしも必要ではない
- ただし試乗車で事故を起こした場合には、自分で弁償するケースもあるため、リスクが無いわけではない
- 試乗車を借りる場合には、3つの注意点に気を付けるべき
- 購入検討で試乗する場合には、3つのポイントを押さえておくと後悔しにくくなる