車に乗っているとどうしても手放すタイミングというのがやってくるもの。
その状況は人それぞれですが、例えば「新しいモデルの車が販売された」「そもそも車に乗る機会が少ない」など、何か理由があって手放すことがほとんどだ。
しかし手放す理由は異なれど、手放すときにすべての人に共通していることがある。
それは「少しでも高く、お得に車買取してもらいたい」というもの。
実際のところ、あなた自身もそのように思っているはずだ。
たしかに、高いお金を払って購入した車だからこそ、少しでもその金額分を回収したいため、高く車買取をしてもらいたいのは当然のこと。
また車買取を高くしてもらうことによって、買い替え予定の車の予算に充てることもできますし、単純に手放すだけの場合でも「車以外の楽しみ」に使うことができますから、やはり高く車買取してもらうことは非常に重要なのは間違いない。
しかし適当に考えていると失敗することがある。
それは「車買取で契約後に買取金額が減額されてしまう」という事例だ。
実は高く売れたと喜んでいたのもつかの間、契約後に減額されてしまうといったケースが国内ではいくつも報告されている。
そこで今回は自動車ディーラーで中古車査定士として実際にいくつもの車査定をしてきた筆者が、車買取の契約後に減額をされてしまうという事例についてご紹介。
もちろん紹介だけではなく、「具体的な対処法」「安心できる業者の選択方法」などをしっかりとご紹介していく。
難しく考えないでほしい。
初心者でもスラスラ読みやすいようにまとめている。
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1.車買取店から「減額」または「再査定」などをされる場合がある
契約後に減額される可能性があるすべてのケースに当てはまるわけではありませんが、まずは国民生活センターに寄せられている下記の事例を見てほしい。
2年前から所有する30年近く前に製造された国産スポーツカーを買取店に見せたところ、「ぜひ欲しいというお客がいる。買い取らせてほしい」と頼まれた。この車はエンジンを載せ替えていると査定士に伝えた。査定の結果、約75万円で買い取るとのことだったので、この車の価値が分かり、大切にしてくれる人の手に渡るのならと思い、売却を決めた。その後3カ月近くたって、買取店本部の債権回収部門の担当者(以下、担当者)から、「オークションにかけたところ、走行距離数に問題があった。契約を解除したい」と電話が入った。走行メーターを自分で改ざんした覚えなどはない。プロの査定士が厳正に査定したうえで提示した買取金額ではなかったのか。売却代金は新しい車を購入した際使ってしまい、今さら契約解除と言われても困るし、納得できない。(40歳代 男性 自営業)
※引用元:国民生活センターの相談事例と解決結果「3ヶ月近くたって契約海上を申し入れてきた中古車買い取り専門店」より
3年前に新車で購入した車を乗り換えるため、車検の前に売却することにした。インターネットで見つけた複数の買取業者に連絡して、店舗に出向き、車を見せた。一番高い価格を提示した買取業者(以下、事業者)と日後に価格交渉し、220万円に決まり、売ることにした。また、別途、売却価格の変更がないことを保証するサービス(以下、買取価格保証)に20,000 円を支払って加入した。車を引き渡した3日後に事業者の担当者から電話があり、「ルーフパネルの交換歴が判明した。知っていれば買い取らなかった。車を返すから代金を返してほしい」と求められた。「お客様の事故、メーター改ざん、水没以外はすべて事業者が負担する」と言われて「買取価格保証」を申し込んだのに、話が違うので承服できない。後で思い出したが、過去に雪害でへこんだルーフを保険で修理したことがある。商談中、「事故は起こされましたか」と尋ねられたが、駐車している車の屋根に雪が落ちたことを「事故」と思わなかったので、申告していない。(60歳代 男性 無職)
※引用元:国民生活センターの相談事例と解決結果「修復歴があるとして「再査定」した自動車買取業者」より
【事例3】契約書に記載された以上の解約料を請求された
米国製の車を200万円で売却することにしたが、やはり解約したくなり、車が引き取られた2日後に解約を申し出た。同意書に「お客様都合で解約の場合は、10 万円かかる」と記載されていたので、10万円支払うのは仕方ないと思っていたが、「オークションで買い手が決まっているため、その客に対する迷惑料などで、さらに23万円がかかる」と言われた。同意書に出ている解約料10万円で解約できないのか。(2011年12月受付20歳代 男性 給与生活者 福岡県)
※引用元:国民生活センターの「増加する自動車の売却トラブル」より
これらの事例をご覧になるとあることに気づくだろう。
契約が完了した後、何かしらの理由によって解約料や業者からの契約解除を申し出られたそしてこれらの事例をまとめると、大まかには下記の3つのケースに当てはまるのです。
- 瑕疵担保(かしたんぽ)責任による業者からの契約解除の申し出
- 再査定での減額
- キャンセルペナルティー(解約料金の請求)
上の見ただけで、内容がわかる人はおそらくいない。
以下にそれぞれにケースに対しての、対処法や対策をご紹介していく。
ちなみに、車は年間に約300万台が売られているが、このようなトラブルになるケースは極めて稀ということを先に伝えておく。
なので、あなたがこのようなトラブルに巻き込まれるケースは少ないので、そこまで神経質にならないでほしい。
ケース1.瑕疵担保(かしたんぽ)責任による業者からの契約解除の申し出
- 業者が車買取を実施して、入金が完了する
- その後別の顧客へ販売をする際に、重大な欠陥に気付く
- 「瑕疵(契約の際に説明されなかった重大なポイント)」があるため、契約解除の申し出をする
という流れになってる。
そのため一見すると「車買取の依頼をした顧客側が、説明しなかったため問題がある」と感じられてしまう。
ただし、実際には業者側にもきちんと確認しなかった責任はあるため、実は「一概にどちらが悪いと判断できない」という難しいケース。
「契約解除申し出」の対処法・対策
対処法については、売買契約前に「きちんと説明しておく」ということが最も重要だ。
もちろん修復歴などについては説明することで査定額に響いてしまいますが、それでも契約後に大きく損をすることに比べると、小さなことだ。
また虚偽の申告をして売却をした場合には、最悪の場合詐欺などの罪に問われかねない。
あなた自身が罪人にならないためにも、車買取を依頼する車について知っている症状、状態などについては細かく説明しておくことが賢明だ。
とはいえ車に関するプロではないでしょうから、エンジンや足回りなど、専門的な状態についてはそもそも理解することが難しいのも理解ができる。
特に「事故車と知らずに中古車を購入している」という場合には、それこそ何も分からないのも無理はない。
その場合には、説明することはできないかと思いますので、車買取の依頼をした査定士に「どこが悪い、悪くないといった症状が分からないので、厳密にしっかりと査定をお願いします」と正直に依頼することだ。
そして査定が完了し、実際に契約する段階になったときに
- 車の状態について知っていることに関しては話している
- 素人なので見えない部分などについては査定士であるあなたに見てもらっている
ということを再度説明し、その上で「後に何かあってもコチラとしては責任をとれないので、契約解除やキャンセルなどを受け付けることができない」「このまま新しい車を購入するので、買取金額を返金することはできない」ということを査定士に伝えておくことだ。
また「理解した上で契約した」という旨の契約書や誓約書、または音声などの「証拠」となる物を簡易的でも構いませんから、用意しておくことできちんと対策することができる。
ケース2.再査定での減額
今回ご紹介したケースでは「再査定をした結果、瑕疵が見つかったため返金を依頼してきた」というものだ。
そのため前述したケースと似ているのですが、返金ではなく「減額」を申し出てくる場合もある。
つまり流れとしては、
- 車査定の後、契約
- 契約後、入金するまでに数日間の時間があるため、そのタイミングで減額を求めてくる
ということになるのです。
「再査定」の対処法・対策
このケースに関しては、先程ご紹介した瑕疵担保責任と同様なのですが、車を売るあなた自身が「きちんと説明をする必要がある」ということを理解することだ。
そして業者に対して「その後何かあっても受け付けない」ということを証拠として持っておくこと。
つまり先程と同様に、あなたとしては「プロに査定してもらった以上、責任を持ってくださいね」という証拠を取っておくだ。
そうすることで、減額をあらかじめ回避できる可能性が極めて高くなる。
ケース3.キャンセルペナルティー(解約料金の請求)
車買取の契約を結んだ後、あなた自身が「何かしらの理由があって契約の解除をしたい」ということもある。
その場合には返品という対応をしてもらうのが通常の売買だ。
しかし車買取の場合には動く金額が多いため、契約の解除をする場合にはキャンセルペナルティーとして解約手数料を取られてしまう場合がある。
その点については納得できるかと思いますが、問題は解約に必要な金額である。
この金額については業者によって異なりますが、ご紹介したケースにもあるように「解約手数料とは別に、再販先への迷惑料なども請求された」という場合もある。
「キャンセルペナルティー」の対処法・対策
対策としては、2通り。
1つ目は「本当に車買取をしてもらっても大丈夫なのか」ということを、きちんと自分の中で理解しておくこと。
例えば
- 「母親からもらった大切な車」である場合には母親へ車売却の確認を
- 「自分名義だが妻が運転することの多い車」である場合には、主な運転者である妻への確認を
しておく必要がある。
この2つはほんの例に過ぎないが、意外とよくあることなので注意が必要だ。
また、自分自身の車を売却する場合にも、契約前に一度冷静になって「本当に車買取をしてもらっても大丈夫なのか…」と自問自答することが重要である。
さらには、査定時や契約時に、査定士へ「例えば契約後にキャンセルしてしまった場合に、何かペナルティーはありますか?詳しく教えてください」と聞いておくことです。
そこできちんと説明がされない場合には、信頼できない業者であるため契約そのものをあきらめた方がいいだろう。
ただし、きちんと説明してくれた場合には、やはりその内容を証拠として取っておくことでトラブルを未然に防ぐことができる。
また基本的には契約書にキャンセルに関する内容が記載されていることがほとんどですが、「事業者の都合によって良いように解釈できる契約書」というものもあるため、きちんと査定士に確認することが重要だと覚えておきましょう。
以上、車買取の際に減額をはじめとした、トラブルに関するケースの紹介と対処法・対策に関する解した。
ご覧になるとわかると思うが、「きちんと説明すること」や「きちんと確認して証拠を取っておくことがベスト」だということだ。
しかし実際に車査定の依頼をする場合、これらの対策をしてしまうと「何か気まずい…」と思うのが人間の心理というものだ。
たしかに、トラブルを避けるためとはいえ、できることなら穏便かつスムーズに車買取を依頼したいと思うはずだ。
そこで筆者がオススメするのは「評判が良い買取業者」のみに依頼することだ。
評判が良い買取業者は下記記事で紹介している。
2.まとめ
車買取の際の減額をはじめとするトラブル事例や、対処法・対策に関する解説を終了する。
おそらく
- 対策をするのは面倒くさそうだが、しておくことで安心感を得ることはできそうだ
- 簡単かつ安心して、最高額で車買取をしてもらうことができそうだ
と感じたことでしょう。
その感覚は決して間違っていない。
本当に簡単な手続きをすることで、安心して最高額で車買取をしてもらうことができるので、自信をもってほしい。