日本人は高校卒業後に免許証を取得する人は非常に多いものの、実際に車を所有していないケースも多い。
そのため「たまに車に乗る」という人が意外と多いのだ。
あなた自身もその一人であり、下記のように思っているのではないだろうか。
- たまに車の運転をするだけだから、その時だけ加入できる自動車保険はないだろうか
- レンタカーで友達と旅行に行くけど、1泊2日ぐらいで加入できる自動車保険が知りたい
- 1日自動車保険というものを知ったけど、いくつかある中で本当にオススメのものを教えてほしい
- 家族の車を借りるだけだから、「家族限定」にするのと1日自動車保険に加入するのでどちらがお得なのか教えてほしい
そこで今回は、保険代理店の営業マンをしていた筆者が、たまに乗る人にオススメの1日自動車保険について詳しく解説していこう。
正しく活用すればしっかりリスク対策をすることができ、さらにそれほどお金がかかることもないため、絶対に最後まで読み進めることがオススメである。
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1.現在1日自動車保険を提供しているのは4社
まず1日自動車保険について、簡単に概要を説明しておこう。
そして補償内容自体も通常の自動車保険とそん色なく、まさにたまに車の運転をする人にオススメということができる。
そんな1日自動車保険は、実は下記に挙げた4社からのみ提供されている。
- 三井住友海上
- 東京海上日動(ドコモワンタイム保険)
- 損保ジャパン日本興亜
- あいおいニッセイ同和損保
それぞれ、以下の一覧表上に「加入できる時間」「補償内容」「料金」「加入方法」「追加人数の料金」といった要素ごとにまとめておいたので、チェックしておいてほしい。
保険の名称 | ちょいのり保険 | 1DAY保険 | ワンデーサポーター | 乗るピタ! | ||
---|---|---|---|---|---|---|
保険会社名 | 東京海上日動 | 三井住友海上 | あいおいニッセイ同和損保 | 損保ジャパン日本興亜 | ||
加入できる時間 | 24時間 | 24時間 | 24時間 | 12時間・24時間 | ||
補償内容 | 対人賠償 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
対物賠償 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
対物超過 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
自損傷害 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
搭乗者傷害 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
ロードサービス | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
車両復旧費用 | ○(B、Cのみ) | ○(B、Cのみ) | ○(Bのみ) | 〇(B、Cのみ) | ||
車内手荷物等 | × | ○(Cのみ) | × | × | ||
弁護士費用 | ○(Cのみ) | × | × | × | ||
代車費用 | × | × | × | 〇(Cのみ) | ||
保険料・料金 | A:500円 B:1500円 C:1800円 | A:500円 B:1500円 C1800円 | A:500円 B1500円 | 12時間 A:400円 B:1200円 C:1600円 | 24時間 A:500円 B:1500円 C:2000円 | |
加入方法 | スマートフォンからの申し込み | docomo、au、SoftBank | docomo、au、SoftBank | docomo、au、SoftBank | docomo、au、SoftBank その他(パソコン可) | |
ガラケーからの申し込み | docomo、au、SoftBank | × | × | × | ||
コンビニでの申し込み | ミニストップ ローソン | セブンイレブン | × | × | ||
被保険者の追加 | A:250円/3名 B:750円/3名 C:900円/3名 | A:480円/名 B:1440円/名 C:1730円/名 | A:480円/名 B:不明 | 不明 |
ご覧の通り、各社非常に似通っている。
しかし詳細に見ていくと、下記の点が異なるケースが多い。
- 車内手荷物等補償特約の有無
- 弁護士費用特約の有無
- 代車費用特約の有無
それぞれ以下に分けてどのような補償がされるのか紹介していこう。
車内手荷物等補償特約の有無
車内手荷物等補償特約とは、その名の通り「事故によって車内に置いていた手荷物が損傷した場合に、その費用を補償してくれる」という特約だ。
そのため例えばノートパソコン・楽器・ゴルフバッグなど、高価なものを積んで車の運転をする場合には、付けておくと安心できる。
弁護士費用特約の有無
弁護士費用特約とは、弁護士に依頼する際の相談費用や着手金といった費用を補償してくれる特約である。
そして自動車保険において弁護士に相談するケースは、実は意外と多い。
というのも例えば追突事故のように100:0の事故で被害者となった場合、保険会社はあなたの代わりに示談交渉ができないという決まりになっている。
そのため加害者である相手がごねた場合には、自力で解決しなければならなくなるのだ。
そんな時に弁護士費用特約を使って弁護士に依頼すると、スムーズかつ自腹金なしで解決することが可能となる。
代車費用特約の有無
代車費用特約とは、事故によって車が損傷してしまった場合、修理期間中の代車=レンタカー代を補償してくれる特約である。
1日自動車保険では損保ジャパン日本興亜の乗るピタ!でしか提供されていないが、その金額は1日5,000円まで。
軽自動車やコンパクトカーが借りられる金額だと覚えておこう。
以上が、各1日自動車保険の違いに関する説明だったが、その他の補償に関しては「一般的な自動車保険と同じく、かなり手厚い補償」ということができる。
そのため各1日自動車保険の補償の違いから、あなたにオススメのものを選択するのが良いだろう。
ちなみにシーン別にオススメの1日自動車保険は後ほど紹介していくので、引き続きご覧になってほしい。
また1日自動車保険に加入せずとも、実はあなたの家族が加入している自動車保険で、あなたが運転しても補償を受けられる状態にすることは可能である。
そこで次章では、家族の自動車保険に含んでもらうか、それとも1日自動車保険に加入するか、どちらがお得なのか試算して比較していこう。
2.普通の自動車保険の「家族限定」と比較するとどちらがお得なのか
あなたの親御さんが加入している自動車保険で、あなたが他の車を運転できる状態にする場合を想定して、下記に保険料アップ分を試算してみたのでご覧いただきたい。
運転者限定条件 | 年齢条件 | 年間保険料(円) | 差額(円) |
---|---|---|---|
本人・配偶者限定 | 35歳以上補償 | 96,630 | 0 |
限定なし | 全年齢補償 | 227,370 | 130,740 |
21歳以上補償 | 152,710 | 56,080 | |
26歳以上補償 | 102,640 | 6,010 |
※試算条件
- ノンフリート等級:15等級(事故有0)
- 車種:平成27年12月式ホンダステップワゴンスパーダ(RP3型)
- 自動ブレーキ:あり
- 主な使用目的:通勤通学使用
- 主な使用地域:愛知県
- 免許証の色:ゴールド
- 車両保険:あり(一般型でおすすめされた条件)
- その他条件:損保ジャパン日本興亜の補償充実プランを選択
損保ジャパン日本興亜では、現在「家族限定」という限定条件がなく、配偶者以外の家族を含める場合には「限定なし」ということになる。
その結果、最大で13万円もの差額が出た。
ただし年齢条件によっても金額差は異なり、例えば26歳以上の子供を含める場合には、それほど大幅な保険料アップにはならない。
そのため使用頻度にもよるが1日自動車保険のBプラン(1,500円/日)だとすると、下記のような結果となる。
- 全年齢にする場合…年間で88回車の運転をするなら、普通の自動車保険の方がお得になる
- 21歳以上補償にする場合…年間で37回車の運転をするなら、普通の自動車保険の方がお得になる
- 26歳以上補償にする場合…年間で7回車の運転をするなら、普通の自動車保険の方がお得になる
そのためお得度を考える場合には、今試算した回数を年間で乗るかどうか考えて1日自動車保険は検討するのがオススメである。
ちなみに若ければ若いほど元を取るのは難しくなるため、筆者としては「若い人にこそ1日自動車保険がオススメ」と結論付けている。
また通常の自動車保険の年間保険料は、保険会社によって異なる。
そのため厳密に言うと「親の自動車保険で一度試算してから」ということになる。
しかし面倒くさいかと思うので、月に1度も乗らない程度の頻度であれば、「25歳以下は1日自動車保険の方がお得」と思っても、ほとんど間違いないと考えて大丈夫である。
以上の説明から、1日自動車保険のお得度について何となく理解することができただろう。
そこで次章からはいよいよ「どの1日自動車保険がオススメなのか」という点について紹介していこう。
3.7つのシーン別おすすめの1日自動車保険と補償内容
1日自動車保険を検討する場合、下記のシーン別に4社の1日自動車保険の中から選択すると間違いないといえるだろう。
複数人でのドライブで運転を交代したい
人数の追加をしても圧倒的に安い、東京海上日動の「ちょいのり保険」※プレミアムプランのみ付帯、1,800円/24時間
高価な荷物を載せて走行する
車内手荷物等補償特約が唯一設定できる、三井住友海上の「1DAY保険」※Cプランのみ付帯、1,800円/24時間
ガラケーから申し込みをする
ガラケーからの申し込みが可能な、東京海上日動の「ちょいのり保険」
コンビニで申し込みをしたい
ローソンとミニストップから申し込みが可能な、東京海上日動の「ちょいのり保険」
被害者になった時に絶対守ってもらいたい
弁護士費用特約が付帯できる、東京海上日動の「ちょいのり保険」※プレミアムプランのみ付帯、1,800円/24時間
親の車を借りるから、万が一の時には代車を用意したい
代車費用特約のある、損保ジャパン日本興亜の「乗るピタ!」※最も補償が充実している「安心プラン」のみ付帯、12時間1600円、24時間2000円
半日だけ車を借りて運転する
12時間から加入できる、損保ジャパン日本興亜の「乗るピタ!」※12時間の加入料金、ライトプラン:400円、基本プラン:1,200円、安心プラン:1,600円
おそらく、あなた自身上記のケースのどれかには当てはまっているだろう。
正直なところ金額自体も似通っているため、単純に「自分の状況にマッチしたオススメ」を選んでおけば間違いないといえる。
またもう一つ気になるのが「加入方法と手順」だろう。
そこで次章では、基本の加入方法と手順について、紹介していこう。
4.1日自動車保険の加入方法と手順
1日自動車保険では、これまでの説明でも分かる通り下記の2種類の加入方法がある。
- コンビニで申し込む場合
- ネットから申し込む場合
それぞれの手順については以下に分けて紹介していこう。
コンビニで申し込む場合
1.下記TOPページから事前予約(事前予約なしで直接セブンイレブンに行ってもOK)をし、予約コードの発行をする
※必須情報:免許証番号/免許証有効期限/氏名/生年月日/住所/車のナンバー/メーカー名/他の運転者がいる場合は「氏名」「生年月日」
2.マルチコピー機にて申し込み
- メニュー画面から「保険」→「1DAY保険」→「ネット予約登録サービスを利用されたお客様」をタッチ
- 予約コードと申込者の生年月日を入力
- 払込票の印刷
※事前予約していない場合は、ここで必要事項の入力
3.払込票でレジにて支払
- 払込票をレジに持っていくと支払いできる
ネットから申し込む場合
ネットからの申し込みは各社で対応しているため、どの保険会社でもおおむね共通している加入方法として解説していく。
1.車両情報の入力
- 他人から借りる車両かどうか
- ナンバーの種類
2.プランの選択
- 一覧表上の補償内容をチェック
- 申し込み画面上でも補償内容のチェックは可能
- 利用期間の設定
3.申込者情報の入力
- 住所、氏名
- 生年月日
- 免許証番号や免許証の有効期限
- 追加申込者がいる場合には、人数や各自の氏名など
4.支払い
- クレジットカードでの支払い
- 携帯料金との合算での支払い
5.まとめ
以上、1日自動車保険に関する解説を終了するが、最後に当ページの内容をまとめておこう。
- 1日自動車保険は現在4つの保険会社から提供されている
- 各社で様々な特徴があるが、基本的にどれも通常の自動車保険と同じく万が一の際に安心できるほど補償は充実している
- そのため+αの補償の違いで各位置日自動車保険の中から選択することがオススメ
- 家族限定などと比較すると、多くの場合で25歳以下の人は1日自動車保険に加入したほうがお得になる
- 手続きはシンプルで、コンビニなどでも当日加入することが可能