自動車ローンの残債は上乗せする4つの手順と上乗せしていい2つの条件

ここ最近、車はめまぐるしく発展しているため、新モデルの車が発表されるたびに「この車に乗りたい」と思うことは多い。

しかし実際のところ、今乗っている車を自動車ローンで購入している場合には、新たに自動車ローンの残債を上乗せして、新しい車を購入することになってしまう。

そんなことは可能なのだろうか。

先に結論を述べておくと、今の残債に上乗せすることは可能である。

とはいえ残債の上乗せには少々面倒くさい手続きがあり、さらに正しく上乗せの判断をしなければ損をしかねない。

そこで今回は自動車ディーラーの営業マンである筆者が、自動車ローンの残債に対する上乗せについて、詳しく解説していこう。

1.新しい車を買うときは自動車ローンの残債上乗せができる

まず残債のある車を持っていて、その残債に上乗せして新たな自動車ローンを組むことは可能だと冒頭で述べた。

しかし正直なところ先に覚えておいてほしいのは、「借金が上乗せされるだけ」ということである。

というのも理屈上は下図のようになるからだ。

ローン残債の上乗せイメージ
ローン残債の上乗せイメージ

つまり今の残債と、新しい車のローン金額(金利分含む)という状態になるのだ。

そのため単純に借金が増え、さらに今乗っている車の残債にも金利が上乗せされるということをしっかりと理解しておいてほしい。

とはいえ後述するように判断基準さえ間違えなければ、上乗せどころか残債そのものがなくなるという可能性もあるため、それほど心配する必要はない。

そしてここまでの単純な仕組みを理解したところで、次章では自動車ローンの残債を上乗せする手続きについて説明していこう。

2.自動車ローンの残債上乗せの手続き手順

自動車ローンの残債上乗せをする手続きの手順は、下記に箇条書きした通りである。

自動車ローンの残債上乗せをする手続きの手順
  1. 今の車のローン残債を調べる
  2. 今乗っている車がいくらで売れるか車査定する
  3. 次の車の見積もりをしてもらう
  4. 銀行やディーラーに上乗せで依頼する

それぞれ以下に分けて説明していこう。

1.今の車のローン残債を調べる

まずは今乗っている車のローン残債を調べていく。

調べる方法は主に2通りあり、

  1. 金融機関から送られてくる残債(返済額)の通知書
  2. 直接金融機関に聞く

となっている。

しかし前者は毎月送られてくることはあまりなく、自分自身で残債の計算をしなければならないためオススメではない。

一方、後者は本当に「聞く」というだけの作業であり、すぐに回答を得られるため非常にオススメである。

ちなみに聞き方としては正直に「新しい車の購入を検討しているので、今のローン残債を教えてほしい」と言えば問題ない。

2.今乗っている車がいくらで売れるか車査定する

次に、今乗っている車がいくらで売れるのかを調べる必要がある。

というのも後述する判断基準の中でも重要なポイントとなるのだが、今乗っている車の売却額がローン残債を上回るのであれば、そもそも残債は清算されるため「単純に新しい車の自動車ローンのみ」ということになるからだ。

そのためこのポイントに関しては、必ず高い査定額を引き出す必要がある。

そこで確実に高い査定額を引き出す方法について、紹介していこう。

その方法とは「複数の買取専門店を競合させる」ということだ。

買取専門店は買い取った車を再販することで利益を上げているのだが、実は昨今の中古車人気の影響から在庫車が少なくなっており、結果的に「売る車がない=利益が上げられない」という状況に陥っている。

つまり在庫車確保に必死になっているからだ。

しかし注意しておいてほしいのは「ディーラーの下取りは避けるべき」ということである。

なぜならディーラーは買取専門店とは異なり、中古車の販売をせずとも新車販売で十分な利益を上げられるからだ。

そのためディーラーではなく、買取専門店を複数社競合させることをしっかり頭に入れておいてほしい。

とはいえ実際に複数の買取専門店を探し、競合させるのは面倒くさいため、筆者としては「車一括査定」というサービスの利用をオススメする。

サービスの詳細は引き続き説明していこう。

 車一括査定とはインターネット上のサービスのことで、サービスと提携しているいくつもの車買取店に一括して車査定の依頼をすることができるサービス
車一括査定を使わない場合、使う場合
車一括査定を使わない場合、使う場合

車一括査定とは「複数の買取店」に同時依頼できるサービス

 車一括査定とはインターネット上のサービスのことで、サービスと提携しているいくつもの車買取店に一括して車査定の依頼をすることができるサービス
車一括査定を使わない場合、使う場合
車一括査定を使わない場合、使う場合

そして名前からもおおよその内容は推測できるだろうが、サービスと提携している何百~何千社もの車買取店の中から、あなたの地域に対応している複数の車買取店に車査定を一括して依頼できるのだ。

またサービスと提携しているほとんどの車買取店は、無料の出張査定サービスに対応しているため、あなたは自宅にいながら一気に複数社を競合させられる。

そのため「一度の申し込みをするだけで、最高額が得られる方法」ということができるのだ。

申し込み方法に関しても非常に簡単で、

  • あなたが乗っている車に関する情報(車種や年式、総走行距離など)
  • あなた自身に関する情報(出張査定先の住所や氏名など)

を入力するだけであるため、1~3分程度の時間があれば申し込みを完了させられる。

以上のことから車一括査定を利用することで、へこみのあるあなたの車は「最短時間で最高額を得ることができる」ということになるのだ。

申し込みは非常に簡単で、誰でもササっとできる。

そのためぜひ一度利用して、満足のいく価格提示を受けてほしい。

とはいえひとつだけ問題もある。

それは「車一括査定のサイトはいくつもあるため、どこがオススメなのか分からない」ということだ。

そこで最後に、当サイトで紹介している車一括査定サイトの中から、オススメなものを紹介しておこう。

車一括査定を徹底比較

車一括査定をオススメしたのはいいが、じつは買取店ほどではないにしても、いくつかのサイトが存在する。

主要な車一括査定6つをまず見てほしい。

下記にそれぞれの車一括査定を比較した一覧表を載せておく。

車一括査定の比較表
車一括査定の比較表

それぞれの比較一覧表をご覧になると、例えば

  • カーセンサーの提携業者数は圧倒的に多い
  • 楽天オートは楽天ポイントがもらえる
  • ユーカーパックは買取業者からの電話がない、申込み直後に買取相場を知ることができる
  • ズバット車買取は申し込み直後に買取相場を知ることができる
  • カービューは車一括査定を最初に始めた運営サイトで歴史が長い
  • ナビクル車査定は買取業者を厳選している

という特徴に気付くことができるだろう。

実際にこれらの特徴はすべて各車一括査定の「強み」といえる部分だ。

といえば、これらの特徴をご覧になるだけでは、本当にオススメの車一括査定がどれなのか分からないはずだ。

そこで筆者が車査定のプロとして最もオススメできる車一括査定TOP3を紹介する。

車一括査定のオススメは「カーセンサー」

カーセンサー
カーセンサー
http://www.carsensor.net/

最もオススメの車一括査定はタイトルの通り「 カーセンサー 」と結論付けている。

なぜなら「1,000件を超える圧倒的な業者と提携しているため、最も自分に合った買取業者を探しやすく最もお得になる可能性が高い」といえるからだ。

カーセンサー

依頼でポイントがもらえる「楽天オート」

楽天オート
楽天オート
https://auto.rakuten.co.jp/

楽天オート の車一括査定は、「ポイントがもらえる」という特徴が大きい。

そして得られるポイントは

  • 申し込みをして5ポイント
  • 申し込み後に制約をしたら1,500ポイント

であり、ハードルがとても低い。

提携している買取業者数はカーセンサーと比較して見劣りする。

買取業者からの電話なし「ユーカーパック」

ユーカーパック
ユーカーパック
https://ucarpac.com/

ユーカーパック は他の車一括査定とは少し色が異なる。

ユーカーパックの特徴は、車一括査定のように買取店からの電話ではなく、ユーカーパックからのみしか掛かってこない。

この車買取店から一斉に電話がかかってこない点が評価することができる。

さらには、5,000社以上もの車買取業者と提携してのも評価ポイントだ。

ただし、前述したカーセンサーと比較すると、提携している業者の多くが「大手買取業者ではない」という欠点がある

ユーカーパック

以上、筆者がオススメする車一括査定に関しての解説を終了する。

ご覧になると「いくつもある車一括査定にはそれぞれ特徴があり、ポイントを抑えておくことで確実に金銭的にも、精神的にもお得になることができる」ということが分かったかと思う。

そして再度結論を述べますが、筆者としては最もオススメな車一括査定は「 カーセンサー 」であり、確実に最もお得な車買取業者を探すことで「数十万円以上も高く車買取してもらえる」ということができる。

申し込みにかかる時間も2分程度と、本当に短時間で簡単に申し込みを完了させることができる。

そのため、ぜひ一度試してみてほしい。

「こんなにお得になるのか!」とビックリするかもしれない。

3.次の車の見積もりをしてもらう

査定額を出してもらった後は、次の車の見積もりを出してもらう。

なぜなら実際に自動車ローンで借りる金額を決定させるためだ。

そのため価格に関してはしっかりと交渉し、最大限安く次の車の購入をすべきということができる。

そこで安く車の購入をする方法について、下記に箇条書きしておいたのでご覧いただきたい。

  • 月末を狙う
  • 決算期を狙う
  • 他ディーラーの同一車種、他車種で価格競合させる
  • おまけをつけさせる

それぞれ以下に分けて簡単に説明していくので、ぜひ参考にしていただきたい。

月末を狙う

月末は自動車ディーラーにとって「追い上げのタイミング」ということができる。

というのも自動車ディーラーは月単位でノルマ管理をしていることがほとんどであり、月末には売り上げや販売台数を伸ばす最後のチャンスとしてとらえていることが多いのだ。

そのため20日ごろ具体的に「購入を検討している」ということを伝えると、最も安い金額の提示がされやすくなる。

また「今ならこの価格が提示できる」と言われることがあるが、その価格は一度提示してしまった手前、今後も出さざるを得ないため、安心して引き延ばしても問題ない。

2.決算期を狙う

月末と同じく、決算期を狙うと安く購入しやすくなる。そして月末よりも効果的だ。

というのも自動車ディーラーは店舗としての売り上げや販売台数だけではなく、企業として売り上げや販売台数、そしてシェアを気にしており、決算期こそこれらの要素を伸ばす「最後のチャンス」といえるからだ。

つまり月末のようにイチ店舗やイチ営業マンが成績を気にするのではなく、全社的に成績を伸ばしたいと考えているため、非常に安くなりやすい時期ということができるのだ。

そのため自動車ローンの上乗せ分を少なくする意味でも、決算期で車の購入相談をすることがオススメである。

また自動車ディーラーの決算期は、ほとんどが3月・9月ごろが多く、次いで12月が多いということができるため、これらのタイミングを狙うべきだろう。

3.他ディーラーの同一車種、他車種で価格競合させる

安くなる要因は何も時期だけではない。

「他車に顧客を取られたくない」という心理を営業マンは持っているため、活用するのだ。

具体的には

  • 他ディーラーの同一車種を競合させる
  • 他メーカーの車種で競合させる

という方法がある。

他ディーラーの同一車種に関しては、「ディーラーを経営している企業の違い」を見ることが重要で、例えば愛知県のトヨタカローラ系では「カローラ愛知」「カローラ愛豊」「カローラ名古屋」などの種類がある。

これらは経営元の企業が異なるため、同一の取り扱い車種を競合させれば価格が安くなるのは間違いない。

また他メーカーの車種に関しては、目当ての車種とほとんど同じ大きさ、同じ乗車定員、同程度の価格の車種で競合させれば問題ない。

そして具体的な価格競合の方法だが、単純に「他社のAという車と、御社のBという車で迷っているが、価格で決めかねている」ということを淡々と伝えればいい。

AとB両社で2~3回ずつこの交渉を続ければ、間違いなく最安値を引き出すことができ、自動車ローンの上乗せを少なくすることができるだろう。

4.おまけをつけさせる

自動車ローンの上乗せが少なくなるわけではないが、「おまけ」をつけさせることで相対的に価格を安くすることが可能である。

そのため「もうこの価格で決めるぞ!」という最後のタイミングで、5,000~3万円程度のおまけをお願いすると良いだろう。

具体的には

  • ガソリン満タン納車
  • ボディコーティング
  • マット・バイザーサービス
  • ホーンやヘッドライトなどのグレードアップ

などがおまけで有名であるため、ぜひ依頼することをオススメする。

以上、車を安く購入する方法だったが、説明してきた4つの方法を実践することで自動車ローンの残債上乗せを大幅に軽減することが可能になる。

そのためしっかりと実践して、新しく組む自動車ローンの負荷を確実に軽減してほしい。

4.銀行やディーラーに上乗せで依頼する

査定や車両の価格交渉が完了したら、後は実際に金融機関へ「残債の上乗せ」を依頼すれば問題ない。

金融機関としては実はそれほど珍しいケースではないため、

  • 今の残債が売却額などによって返済できるのか
  • 残債が清算できない場合でも、きちんと返済できるか(定期的な収入が見込めるか)
  • 前の自動車ローン期間中に、住宅ローンを除いて多重債務者になっていないか

という条件をクリアしていれば、問題なく手続きが完了すると思っても良いだろう。

ただし景気情勢などの影響から、確実とは言い切れないケースもあるため、金融機関からNGが出る可能性もある。

その場合には筆者が教える裏ワザを試してほしい。

1.金融機関に上乗せをしてもらうには「高い見積書」が必要

金融機関に上乗せをしてもらう場合、高い注文書を用意すると効果的だ。

というのも金融機関は基本的に見積書に記載された価格をベースに残債の上乗せを検討する。

そのため引き出すためにはある程度具体的な数字を見せて、検討させるしかないのだ。

ただしここで「高い見積もり」と言ったのには理由がある。

それは「最初高めの金額を提示しておけば、NGだった場合でも徐々に希望金額を下げていけばOKが出る場合があるのだ。

また

  • 前回のローンからの残債上乗せだけNGだった
  • もっと多くのお金を借りて、カスタムやオプションを増やしたい

という場合には、高い見積もり金額でそのままOKがもらえれば、残債分の清算やオプション増などが可能となる。

そして具体的に高い見積もりを取る方法だが、実は非常に簡単である。

というのもディーラーに対して「銀行から高めでお金を借りたいので、本気の見積もりと高い見積もりの2種類を用意してほしい」と伝えるだけで良いからだ。

それだけで高い見積もり自体は用意できるため、金融機関からOKをもらう目的や、高く融資してもらう目的のための材料は「簡単に用意できる」と思っても良いだろう。

以上が自動車ローンの残債上乗せに関するすべての手続き手順だったが、再度まとめると下記の箇条書きの通りになる。

  • 今の車のローン残債を調べる→金融機関に聞く
  • 今乗っている車がいくらで売れるか車査定する→高く売れれば「そもそも残債がない」という状態にできる
  • 次の車の見積もりをしてもらう→価格交渉で確実に安く車の購入をすれば、新しいローン負担を少なくすることができる
  • 銀行やディーラーに上乗せで依頼する→「高い見積もり」を用意しておくと便利に使え、金額調整によって借りやすくなる

それぞれの流れはこれまでの説明で理解しているだろうが、順を踏んで実践すれば困ることはないため安心してほしい。

とはいえ手続きをする前に、正しい判断基準を覚えておいてほしい。

なぜなら判断基準を誤ってしまうと、大損しかねないからだ。

次章ではそんな判断基準についてご紹介していこう。

3.残債に新たなローンを上乗せさせる判断基準

残債に新たな自動車ローンを上乗せさせる場合の判断基準は下記の通りだ。

  • 残債>売却額のとき…要検討
  • 売却額>残債のとき…OK

後者は売却額によって残債がなくなるため、そもそも上乗せという概念ではなくなり、結果的にローンを組んでも何も問題はないといえる。

ただし前者のように残債が売却額を上回る場合には、単純に借金が上乗せされるだけであるため、その金額については要検討ということができる。

とはいえ新しい車をどうしても欲しいという気持ちは変わらないだろう。

そこで目安となるのが「年間の返済額=年収or月収の25%以内」という指標だ。

家族形態などによっても変化するのだが、返済額を年収もしくは月収25%以内に抑えておけば「ある程度の生活は可能」ということになるからだ。

そのため上乗せしてでも購入を検討している場合には、

ローンを上乗せしてもよい条件
  • 返済額が25%を上回っていない場合…上乗せで自動車ローンを組んでも大丈夫
  • 25%を上回っている場合…返済期間の延長、金利の安いローンへの変更で月々の支払額を抑える

という判断をすると、ローンを上乗せしても無理なく返済していくことができるだろう。

4.まとめ

以上、自動車ローンの残債上乗せに関して解説してきたが、最後に当ページの内容をまとめておこう。

  1. 自動車ローンの残債上乗せはできるが単純に「借金の上乗せ」になるため注意が必要
  2. 自動車ローンの残債上乗せをするには、「高く売る」「安く買う」といったことも重要であり、それによってそもそも残債がなくなる可能性も高い
  3. 残債に上乗せをするなら「残債と売却額のバランス」や「返済可能額のバランス」が判断基準となる