車は国によって管理されており、「登録」や「抹消」という業務が実施されている。
その中でも抹消には2種類があり、
- 一時抹消
- 永久抹消
に分かれている。
そして各抹消手続きは、車売却や車の廃車時に必要とされる手続きため、もしあなたがこれから車売却や廃車手続きを進めていこうと考えているなら、必ず覚えておくと安心である。
また仮に抹消手続きを知らずに車売却などを進めてしまうと、「売却後も自動車税の納税義務が発生してしまう」などの危険性がある。
そこで今回は、自動車ディーラーで買取・中古車販売の営業や、新車営業を担当してきた筆者が、一時抹消と永久抹消という「抹消手続き」に関して、詳しく解説していこう。
当ページをご覧になれば抹消手続きの意味がしっかりと理解でき、安心して車売却や廃車手続きができることは間違いない。
今回は、自分で抹消手続きをする人を対象にしている。見たいところをタップ
1.車には「抹消」という登録手続きがある
車の抹消手続きは、基本的にディーラーや大手買取店・廃車専門店に依頼すれば「任せっきりでも大丈夫」だ。
そのため最初から大手買取店や廃車業者に依頼する場合には、それほど心配する必要はない。
ただしどこに依頼するのか決まっていない場合には、冒頭でも述べた
- 一時抹消
- 永久抹消
という2種類の抹消手続きを理解してから、進めていくと安心できるだろう。
早速、以下にそれぞれの抹消手続きを説明していくので、ご覧いただきたい。
一時抹消とは?一時抹消が必要な理由
つまり一度公道では走ることのできない状態にすると覚えておくと分かりやすいだろう。
そしてなぜこのような手続きを取るのかというと、自動車税が深く関係している。
というのも自動車税は「1年に1度車検証上の所有者(または使用者)に対し、納税の義務が発生する」という特徴を持っているのだが、その原理で行くと中古車販売店は「在庫車数×3~5万円程度」の税金を納税しなければならなくなる。
しかし一時抹消をしておけば、「使う車ではない」ということになるため、自動車税を一時的に納めなくても良くなるのだ。
そのため一時抹消は、一般的な車売却時にされることの多い手続きということができる。
永久抹消とは?永久抹消が必要な理由
つまり車の廃車や解体などをする場合に、「この車は一生使いません」という意味のある手続きである。
正直なところ一般ユーザーにはあまり関係のない手続きともいうことができ、実際には解体業者などが「車台番号を抹消して、解体後に資源や中古部品として再利用する」というケースで必要になる手続きということもできる。
そのため永久抹消に関しては、その車自体が中古車として商品にならない場合に、業者側の判断に基づいてされる手続きなのだ。
以上が一時抹消と永久抹消が必要になるシーンについての簡単な解説だったが、イラストを含めてご覧いただくと非常に分かりやすかっただろう。
そしてより簡単なイメージとしては
- 抹消する車が中古車として商品になる…「一時抹消」により、自動車税がかからない状態で在庫車となる
- 抹消する車が中古車として商品にならない…「永久抹消」により、解体などをされて中古部品や、鉄資源として再利用される
ということになる。
またそれぞれの手続きは「車両の価値」から買取店や解体業者が「こちらの手続きの方がお得だから、○○抹消にしよう」と判断することが多いため、依頼してみるまでは分からないというのが現状である。(もちろん、損得に関係なくあなたの依頼通りに進めることも可能だ)
そのためあなたが依頼してみるまでは、どちらの抹消になるかわからず、必要書類についても変わってくるといえるのだ。
そこで次章では、一時抹消と永久抹消の必要書類についてまとめておいたので、ご覧いただきたい。
2.一時抹消と永久抹消を自分でする方法と必要書類
一時抹消は実は買取店に売るというシーンだけで実施するわけではない。
というのも、例えば「今は車に乗らないため一時抹消をして自動車税を回避し、将来的に再度乗る場合に改めて登録しなおす」というケースでも、一時抹消をする必要が出てくるからだ。
つまりあなた自身の手で一時抹消の手続きをする可能性は十分にある。
そこでまずは一時抹消を自力でする場合の方法について、下記に図解しておいたのでご覧いただきたい。
実はたったこれだけの手順で完了する。
ただし永久抹消については、基本的に「車の解体作業が伴う」ということができるため、正直なところ自力での手続きは不可能だと思ってほしい。
その点を理解していただいたうえで、下記に一時抹消に関するそれぞれの手続きを分けて説明しておくので、ご覧いただきたい。
流れ1.必要書類をそろえる
必要書類に関しては、一時抹消の場合で7種類ある。
必要書類 | 一時抹消 | 永久抹消 |
---|---|---|
所有者の印鑑証明書 | 〇 | |
所有者の委任状 | 〇 | |
車検証 | 〇 | |
ナンバープレート(2枚) | 〇 | |
手数料納付書 | 〇 | |
自動車税・自動車取得税申告書 | 〇 | |
移動報告番号・解体報告記録日メモ | × | 〇 |
一時抹消登録申請書 | 〇 | × |
永久抹消登録申請書・解体届出書 | × | 〇 |
それぞれ
- ディーラーや買取店、解体業者で入手可能なもの
- 自力で市区町村役場や出張窓口で入手しなければならないもの
がある。入手に難しい条件などはないため、心配無用である。
それぞれの書類に関しては、以下に分けて解説していくのでご覧いただきたい。
所有者の印鑑証明書
所有者の印鑑証明書は所有者本人が「抹消手続きを許可している」ということを示すために必要な書類である。
つまり委任状や申請書上で押印した実印が所有者本人のものであることを証明する書類となる。
また印鑑証明は、その人の住所証明にもなるのだが、後述する車検証に記載された住所と異なる場合には、住所が変わったことを示す書類(住民票など)が必要になる。
そして印鑑証明は市区町村役場や出張窓口で入手可能であり、自治体にもよるが200~300円程度で入手できることが普通である。
所有者の委任状
所有者の委任状は「解体業者や買取店に手続きの代行を依頼する場合に必要」といえる書類である。
しかし基本的に解体業者や買取店に依頼しなければ、「解体や在庫車化はできない」ため、必ず必要になる書類だ。
委任状自体は解体業者や買取店で入手でき、所有者本人が「手続きを委任する」ことを証明するものとして、実印を押印した上で印鑑証明書の添付が必要になる。
車検証
車検証はその車が「生きているかどうか」を示す書類ということができる。
そのため抹消手続きをする場合には、その車が「死んでいる」という状態にする必要があるのだ。
具体的には抹消手続きをすると、陸運支局(国土交通省)の方で「この車は抹消された」ということが認識され、その後現在事項証明書(一時抹消なのか、永久抹消なのか)が発行されることになる。
ナンバープレート
抹消するということは、一時的または永久的に「ナンバーのない状態」にすることになる。
そのためナンバープレートは陸運支局に返還することになり、結果的に抹消手続きの際には取り外さなければならない。
しかし実際に抹消手続きが陸運支局にて実施される瞬間までナンバーは外さず、手続きが完了する直前で取り外し&返還をしておくことをオススメする。
というのも先にナンバーを取り外してしまうと、万が一乗り続けることになった場合などに対応できなくなってしまうからだ。
また仮にナンバープレートが盗難などの理由によって紛失している場合には、陸運支局にある「理由書」という書類を添付して同時に提出すれば大丈夫である。
ちなみにナンバープレートの外し方は簡単で、単純にネジ止めされているものを外すだけだ。
後ろのナンバーには「封印」と呼ばれるキャップもついているが、封印は上の面をドライバーで突けば簡単に敗れる構造になっているため、封印を破く→中のネジを外すという流れで問題ない。
手数料納付書
手数料納付書とは、抹消手続きにかかわる陸運支局の手数料を納付するために必要な書類だ。
手数料は
- 一時抹消…350円
- 永久抹消…無料
であり、書類自体は陸運支局で入手可能である。
ただし解体業者や買取店に手続きを依頼する場合には、基本的に「買取代金の中に含む」として処理され、あなた自身が書類や手数料を別途用意する必要はない。
自動車税・自動車取得税申告書
自動車税や自動車取得税の申告書は、都道府県税事務所に依頼して用意する必要がある。
とはいえこの書類は、陸運支局内にある都道府県税事務所の出張窓口にて入手可能であり、手続きを解体業者や買取店に依頼する場合には、あなた自身が用意する必要はない。
移動報告番号・解体報告記録日メモ
解体などによる永久抹消をする場合には、移動報告番号と解体報告の記録日が記載されたメモ用紙を提出することになる。
このメモ用紙は解体業者に永久抹消を依頼した時に、必ず渡されるため心配無用だ。
ただしこの書類についても、通常は解体業者が永久抹消手続きを代行するため、あなた自身が何か用意する必要はない。
一時抹消登録申請書
一時抹消登録の申請書は、OCR第3号様式の2というマークシート上の書類であり、買取店や解体業者、陸運支局にて入手可能である。
そしてこの書類も解体業者や買取店が代行して記入してくれる書類であり、実はあなた自身が用意する必要のない書類であるため安心してほしい。
永久抹消登録申請書(解体届出書)
永久抹消登録申請書(解体届出書)も、一時抹消の申請書と同じく解体業者や買取店が用意してくれる書類で、車を死んでいるという状態にするために必要な書類である。
入手方法としては、やはり解体業者や買取店、そして陸運支局にて入手することになる。
もし、業者に依頼する際に自動的に用意されるため、あなた自身が別途用意することはまずないと思っても良いだろう。
流れ2.ナンバーの登録されている陸運支局にて窓口で書類および手数料の納付
必要書類をそろえたら、ナンバーが登録されている陸運支局に行く。
ナンバーが登録されている陸運支局とは、
- 名古屋300 12-34
- 品川500 43-21
などのナンバーで、最初に書かれている「名古屋」や「品川」などの地名にある。
詳細な住所などは国土交通省のホームページに記載がある。
ここで該当する陸運支局に出向き、「廃車」「一時抹消」と書かれた窓口があるため、そこへ行き必要書類と手数料を納付すると、その場で一時抹消登録の手続きをしてくれる。
実際にはコンピュータ上で情報の書き換えをするだけである。
待ち時間は「前の人がいなければ数分程度」だと思っても大丈夫だ。
流れ3.登録事項の変更及びナンバーの返納
登録事項の変更が完了した後は、ナンバーの返納を行う。
とはいえナンバーの返納は、窓口に設置されていることの多い「廃棄ボックス」のような機械に入れて処分するだけであるため、特別な作業が必要なわけではない。
以上が自力で一時抹消をする場合の流れだったが、ご覧いただくと本当に簡単だということが理解できるだろう。
また必要になるお金自体も、自力で実施すれば合計1,000円未満で完了することがほとんどである。
必要書類さえそろっていれば、陸運支局に行けば丁寧に教えてくれるので心配は無用だ。
ローン残債がある場合の対処法
車の所有者がローン会社などとなっている場合には、ローン会社に「発行してほしい」と連絡する。
すると、残債の有無や買取価格との相殺を加味した上で、発行してくれる。
つまり買取価格などによって残債が相殺できない場合には、残債を返済してからの抹消手続きとなる。
また4月1日時点で抹消ができていない場合には、所有者(または使用者)であるあなたの元へ、自動車税の納付書が届いてしまい、納税の義務が発生してしまう。
そのため買取店や解体業者に対して、依頼する際に「自動車税が発生しないようにきちんと抹消の手続きをしてほしい」と必ず一言述べておく必要がある。
もちろん解体業者や買取店はプロとして各種抹消手続きをしてくれるため、依頼時に「万が一納付書が届いてしまった場合には、当社に納付書を持ってきてください」と言われることが一般的である。
しかし契約書の内容について、きちんと依頼時に確認しておくことはリスクマネジメントとして重要だと覚えておこう。
また抹消に関しては、基本的にすべての作業を業者任せにしておいても問題ない。
ただし、実は買取や解体をしてもらう場合には、「業者によって価格が全く異なる」ということがある。
そのため次章にて説明する通り、確実に高値で買取を実施してもらうことで、損を防ぐどころかお得になることが可能になる。
3.一時抹消や永久抹消するなら「車を高く売る」ということが重要
一時抹消や永久抹消をするとき、「車を手放す」ということを検討している方がほとんどだろう。
そのさいは、解体業者やリサイクル業者、そして車買取店に買取の依頼をした方がずっと楽である。
というのも「抹消の手続き(廃車処理)を手数料無料でしてあげる」というような業者もいるのだが、車はいつまでたっても資源としての価値があるため、確実に高値で売ることが可能だからだ。
そのため筆者としては、最初から高く買い取ってくれる廃車・解体業者をオススメしている。
とはいえ廃車・解体業者は全国的に数が多く、正直なところ「怪しげな業者も多い」といえるため、なかなか選びづらいのが現状である。
そこで筆者がオススメするのは「ハイシャル」という廃車専門の業者だ。
ハイシャルは全国展開をしている、廃車業界の大手企業といえる業者であり、抹消手続きに関しても一任しておいてまず問題が発生することが無い。
さらにハイシャルでは、買い取った車を再生させて海外輸出することで確実に利益を確保できることから、他社では考えられないような価格で買取を実施してくれるのだ。
また申し込み~買取までの流れに関しても、
- 申込時にヒアリングに基づく仮査定
- 本気で売却検討をするなら本査定(出張査定のため、手間がかからない)
- 最終の査定額の提示
- 契約&抹消手続き及び買取金額の入金
となっており、非常にシンプルである。
そのためあなた自身が安心して任せられることは間違いなく、さらに「ボロボロの車でも高値で買い取ってくれるためお得になる」ということができるのだ。
以上のことからも分かる通り、ぜひハイシャルに一度申し込みをして、確実な手続き依頼と高価買取を実感してほしい。
「こんなボロ車が、まさかお宝になるなんて…」と思うことは間違いないだろう。
4.まとめ
以上、一時抹消と永久抹消という、2種類の抹消手続きに関する解説を終了するが、最後に当ページの内容をまとめておこう。
- 抹消には大きく分けて「一時抹消」と「永久抹消」があり、それぞれ車を死んだ状態にする=公道で走れない状態にするという意味を持っている
- 一時抹消と永久抹消の手続きは、基本的に解体業者や買取店が「よりお得になる方」を考えて実施される
- 一時抹消と永久抹消で必要になる書類は一覧にある9つの書類だが、あなた自身が用意するのは「すぐに用意できる4つだけ」である
- 抹消手続きをしてもらう場合には、より高く買い取ってくれる「 ハイシャル 」に依頼すると、確実な手続きと高価買取が両立できるためオススメ