お金に余裕がなく自動車ローンを活用して車の購入をすると、どうしてもお得になりたいという気持ちになる。
そのため金利の差を生かして「借り換え」を検討してはいないだろうか。
そこで先に結論を述べておくが、自動車ローンの借り換えは「絶対にお得になるため検討すべき」というのが本当のところだ。
しかし借り換えに関して正しい知識を持っていなければ、それほどお得ではないケースや逆に損してしまうケースもある。
そこで今回は自動車ディーラーの営業マンとして勤務する筆者が、自動車ローンの借り換えについて詳しく解説していこう。
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1.自動車ローンは借りる会社によって金利が大幅に異なる
自動車ローンが組める会社は数多くあるが、その中でも一般的なのは
- ディーラーのローン、残クレ
- 銀行などの金融機関による自動車ローン
だろう。
各ディーラーへの筆者による調査、そして金融機関で調査した結果、下記の一覧表のような金利となっていることが分かった。
種別 | 企業名 | 金利 | |
---|---|---|---|
最低(%) | 最高(%) | ||
ディーラー | トヨタ | 4.50 | |
日産 | 1.90 | 4.90 | |
ホンダ | 1.90 | 3.50 | |
スバル | 3.90 | ||
マツダ | 2.99 | ||
三菱 | 2.90 | 3.90 | |
スズキ | 2.90 | 3.90 | |
ダイハツ | 3.50 | ||
金融機関 | 三菱UFJ銀行 | 2.975※変動金利 | 2.975※変動金利 |
損保ジャパン日本興亜 | 1.95 | 2.85 | |
静岡銀行 | 2.40 | 5.30 | |
名古屋銀行 | 2.70 | 3.20 | |
三井住友銀行 | 4.475 |
※参考出典元 トヨタ自動車の公式ホームページ 日産自動車の公式ホームページ ホンダファイナンシャルサービス スバルファイナンス マツダクレジット MMCダイヤモンドファイナンス スズキファイナンス ダイハツ 三菱UFJ銀行 損保ジャパン日本興亜 静岡銀行 名古屋銀行 三井住友銀行
平均すると3%程度の金利となるのだが、実はディーラーの金利は「非常に高い」ということができる。というのもディーラー欄にある最低金利は、ごくごく一部の車種にしか適用されないキャンペーン金利だからだ。
そのためディーラー金利は最高%として、4~5%程度だと考えておいてほしい。
一方金融機関による自動車ローンの金利は、一部を除き2~3%程度で推移しているため、基本的にディーラーよりも低いのが当たり前の状況となっているのだ。
つまり今現状でディーラーで手続きをした自動車ローンを組んでいる場合には、金融機関と比較して損しているということができる。
また損保ジャパン日本興亜や三菱UFJ銀行、そして静岡銀行など、金融機関内でも金利は大きく異なる。
そのため比較することで「1~2%程度は低い金利の自動車ローンを見つけるのは難しくない」ということは覚えておいてほしい。
とはいえ「たかが1~2%高い金利で、本当に損するのか」というのが本音だろう。
そこで次章では、実際に金利によってどの程度返済額が変わるのか、紹介していこう。
2.ローン金利によって返済額はどの程度変わるのか
自動車ローンの金利によって返済額は、実は「かなり変わる」というケースがある。
下記に残債が200万円、金利が4.5%のものと1.72%、そして残期間4年(48ヶ月)、ボーナス払いなしの場合で借り換えの試算をしてみたのでご覧いただきたい。
金利 | 月々の支払額(円) | 総支払額(円) | 月々の差額(円) | 総支払額の差額(円) |
---|---|---|---|---|
4.50% | 45,606 | 2,189,088 | 2,460 | 118,080 |
1.72% | 43,146 | 2,071,008 |
実は金利の差が3%近くある場合でも、なんと2,500円程度の差額しか生まれないということが分かる。
とはいえ実際のところ、4年間の総額では10万円以上もの差額となるのだ。
つまり仮に自動車ローンを完済して車の買い替えなどをする場合には、10万円以上の頭金を最初から用意することが可能ということになる。
そのため最初から低い金利で自動車ローンを組むことが重要となるのは言うまでもないが、自動車ローンを組んでから低い金利の自動車ローンに借り換えるのも、一つの有効な方法ということができるのだ。
以上、ここまでの説明をご覧になると、ローンの金利によって大きな差額が生まれるということは十分に理解できただろう。
とはいえ「借り換えによって支払金額が安くなる」という大きなメリットもあるが、デメリットがあるのも事実である。
そこで次章では自動車ローンの借り換えに伴うデメリットについて説明していこう。
3.自動車ローンの借り換えにはデメリットもある
自動車ローンの借り換えに関するデメリットは、下記の通りである。
- 手数料が必要になる場合がある
- 手続きが少しだけ面倒くさい
それぞれ安くなるというメリットと比較すると小さなデメリットといえるが、手続きの流れも含めて分けて解説していこう。
デメリット1.手数料が必要になる場合がある
自動車ローンはA社からB社へ変更する作業となる。
そのため今借りているA社の残債を、いったんB社が肩代わりすることになるのだ。
つまりB社があなたの代わりに一括返済をすることになる。
その場合に、実は「一括返済の手数料」が発生する可能性があるのだ。
一括返済にかかる手数料は金融機関ごとにマチマチであるため何とも言えないのが現状だが、
- 大手金融機関(大銀行、地方銀行など)…5,000円前後
- 中小金融機関(地方の小銀行、信用金庫など)…1,000~3,000円前後
と考えておけば大きく外れることはない。
また一括返済における振込手数料や印紙代などを必要とされる場合もあるため、多くて1万円程度が必要になると思ってほしい。
つまり言い換えると、自動車ローンを借り換えた場合の総額が1万円未満の差額となるときには、損してしまうため借り換えはすべきではないといえるのだ。
とはいえ正確な金額に関してはA社B社双方がきちんと教えてくれるため、心配せずとも正確な判断の元借り換えができるのは間違いない。
2.手続きが少しだけ面倒くさい
自動車ローンの借り換えをするためには、少しだけ手続きが面倒くさいというデメリットもある。
手続きの詳細な流れとしては下記の通りだ。
- B社で借り換え用の仮審査をする
- 仮審査・本審査の結果、OKが出たらB社が一括返済
- A社から完済の通知
- B社の返済がスタート
それぞれ以下に分けて説明していこう。
流れ1.B社で借り換え用の仮審査をする
借り換え予定の金融機関であるB社にて、まずは仮審査をする。
仮審査とは金融機関が「あなたの返済能力」を確かめるための作業であり、A社で自動車ローンを組むときに聞かれたかもしれないが、
- 年収
- A社の残債の他に借金はあるか(住宅ローンを除く)
- A社の残債の金額
- 職業
を再度聞かれることになる。
そして金融情勢や景気情勢などにもよるが
- 年収が大幅に下落する
- 借金が他にもある
- 収入が不安定(自営業者で3年未満)
などの場合には、この時点で断られる可能性がある。
つまり逆に前回の自動車ローンと状況があまり変わっていなければ、仮審査は通りやすいといえる。
ちなみに仮審査については、下記のリンクに詳しく解説しているため、ぜひご覧いただきたい。
流れ2.仮審査・本審査の結果、OKが出たらB社が一括返済
仮審査が完了すると本審査に移るが、正直なところ「仮審査の内容とほとんど変わらず、仮審査に通っていればほぼ間違いなく通る」と思っても良い。
あえて異なる点と言えば、収入などを証明する書類や、本人確認の書類が必要になる点である。
そして本審査に通過した後は、B社がA社に残債の一括返済をしてくれる。
流れ3.A社から完済の通知
B社がA社の残債を返済してくれた時、A社からは「あなたの自動車ローンは完済されました」という内容の通知が来る。
基本的には完済後数日以内に届けられる、もしくは連絡されるため、きちんと自分で確認する必要がある。
またA社の完済が完了したとき、車の名義はB社に移る。
しかし基本的にB社がディーラーなどとやり取りをして名義変更手続きをしてくれるため、あなたに特別な手間がかかることはないと思っても大丈夫だ。
流れ4.B社の返済がスタート
すべての手続きが完了した後は、B社から指定された通りに支払いをしていくことになる。
B社との契約内容にもよるが、一括返済の手数料などがかかる場合には、別途請求されるためお金の用意が必要である。
以上の手続きが必要になるため、正直なところ面倒くさいと感じてしまうかもしれない。
とはいえここ最近の金融機関はネットから仮審査の申し込み~実際の入金までをしてくれるため、実は思ったよりも手間がかからないというのも事実である。
さらに言うと仮審査は無料でしてくれ、さらに1社あたり5分もかからずに完了する。
そこで次章では、ネットで仮審査できるおすすめの金融機関を2社紹介していこう。
4.筆者オススメの金融機関は2社
筆者が借り換え先としてオススメする金融機関は、下記の2社である。
- 三菱UFJ銀行のマイカーローン
- 損保ジャパン日本興亜のマイカーローン
それぞれ先ほど挙げた一覧表上でも金利を紹介したが、2%以下から自動車ローンを組むことができ、本当に低い金利ということができるのだ。
また両社ともネット上で、
- 個人情報
- 年収
- 他に借金があるか
- 借入予定額(残債の金額)
を入力するだけであるため、5分とかからずに申し込みをすることが可能である。
さらに言うと、申し込み時に入力したメールアドレス宛に即日中~3日前後で仮審査の結果が送られてくるため、短時間の内に申し込み~審査結果まで知ることができるのだ。
そのためぜひ一度、利用することをオススメする。
- 三菱UFJ銀行のマイカーローン
- 損保ジャパン日本興亜のマイカーローン
5.まとめ
以上、自動車ローンの借り換えに関する解説を終了するが、最後に当ページの内容をまとめておこう。
- 自動車ローンの借り替えをすると大幅にお得になるケースがある
- 実際の試算結果では総額で10万円以上もお得になった
- ただし手数料を取られる、手続きの面倒くささに関してはデメリットといえる
- 手続きの面倒くささを回避するためには、ネットの金融機関から簡単に仮審査をすべきである