それもそのはずローンで車を買うということは、ローンで融資されるには「金利」が必要であるため、結果的に最終支払額が高くなってしまうのだ。
そのため総額だけに目を向けると、損であることは間違いない。
しかし総額だけを見るのではなく、車のローン種類、そしてメリットやデメリットなどを理解すると「意外と賢い方法なのでは?」と思えるようになる。
つまり言い換えると、ローンでの車購入について理解していなければ、みすみす損してしまいかねないといえるのだ。
そこで今回は自動車ディーラーの営業マンとして、実際に車を買うときの購入方法であるローンについて、詳しく解説していこう。
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1.車のローンは大きく分けて3種類ある!
まずは車のローンの種類について紹介しておこう。
それは下記の3種類である。
- ディーラー(自社)ローン
- 銀行ローン(信金、信販含む)
- 残クレ(残価クレジットローン)
そしてそれぞれのメリットとデメリットについても、先に紹介しておこう。
下図をご覧いただきたい。
一言で車のローンと言っても、それぞれのメリットとデメリットをご覧になると、意外と性質が異なるということが分かるだろう。
そこで各車のローンの特徴について、以下に分けて説明していこう。
ディーラー(自社)ローン
その目的は単純で、「お金のない人でも車が買えるようにする」ということだ。
つまり少々リスクがあったとしても、車の販売をするためであれば簡単にローンの審査を通してくれる。
ただしリスク分散をするために、金利が高いという特徴もある。
また高い金利に納得がいかない場合でも、一人の顧客だけを特別扱いすることはないため、金利の交渉をすることができない。
以上のことからディーラーローンは「手軽に利用できるものの、高い金利で購入する必要がある」ということになる。
銀行ローン
銀行ローンはその名の通り、銀行で借りるタイプの車ローンだ。
特に銀行はローン、つまり「融資」のプロであるため、実は審査が厳しいという現状がある。
とはいえ実際のところ、銀行も車や家といった高額商品に対する融資をしなければ儲からない。
そのため実は会社員などの一般的な属性の人であれば、何も問題なくローンの審査に通してくれるのだ。
また銀行で車のローンを組む場合、あなたやあなたの家族が銀行と深く付き合っている場合には、ある程度金利の融通をしてくれることがある。
その条件としては、
- 身内が銀行員である
- 借りる予定の銀行で生活費(水道光熱費など)を引き落とししている
- 借りる予定の銀行に多額の預金がある
など、銀行にとって大きなメリットがある場合だ。
また他の銀行と競合させることによって0.1%単位で金利が低くなる場合もあるため、意外にも「ディーラーと同じくらい手軽に、よりお得に借りられることが多い」ということができる。
よく聞くけどよく分からない「労金」「JAバンク」は借りやすい
まず労金とJAバンクという組織の特徴について、簡単に下記に説明していこう。
- 労金…労働金庫の略で、全国の労働者のための金融機関
- JAバンク…JA=農協の金融機関で、農業従事者や地域の組合員のための金融機関
それぞれの団体に加盟している人や組合員は、基本的に優遇される。
優遇されるかどうかはあなた自身の会社がその組合に属しているか、もしくはあなた自身が組合に属しているかという部分が判断基準になるが、会社の総務部などに聞くと簡単に知ることができるだろう。
そして気になる金利だが、実は労金は意外にも高く、JAバンクは比較的低いという特徴がある。
実際に筆者が調べた結果としては、下記のようになっていた。
- 労金…変動金利2.400%~3.675%、固定金利2.900%~3.900%
- JAバンク(なごや)…固定金利2.512%~2.712%+保証料(おおむね0.2%程度)
つまりこれらの金融機関ではマイカーローンを組むときには、おおむね2.5~4.0%程度の金利がかかるということになる。
しかしこの結果は実はあまりお得ではなく、後述するオススメの金融機関のマイカーローンの金利と変わらないどころか、お得になることすらある。
さらに労金やJAバンクでは、融資を受ける際に組合員にならなければならない場合があり、その際に出資金(入会金)を支払う必要がある。
その場合には、正直なところあまりメリットが無いため、筆者としては普通の銀行(信用金庫含む)でマイカーローンを組むことをオススメする。
残クレ
残クレに関しては先に結論を述べておくが、正直なところ「損しかない」といえるためオススメできない。というのも残クレを利用する場合には下図のような手順を踏むのだが、その中でいくつか問題があるのだ。
まず残価の設定だが、人気車種の場合には「車の価格の2割までOK」ということがある。
例えば300万円の車に乗りたい場合には、残価は60万円ということになる。
そして実際に支払うのは残価以外の部分の金額、つまり240万円分に関して分割でお金を支払うということになるのだ。
イメージとしては下記のような形だ。
そして契約満了後には、
- その車を返却する
- 設定した残価を一括払いして、自分のものにする
という2択となる。
とはいえ返却する場合には「ただ高いお金を払って借りていただけ」であり、一括払いで自分のものにする場合には「高い金利でローンを組んだのと同じ」ということになるのだ。
つまりどのみち「大損をしてしまう」ということになってしまう。
そのためこれまでの説明からも分かる通り、残クレというローンで車を買うことはオススメしない。
またオススメできるローンについて詳しくは後述しておくので、しっかりとご覧になってほしい。
そこで次は、ローンで車を購入するときの注意点について紹介していこう。
2.ローンで車購入をするときは「金利」に注意
車のローンを組むときの注意点はただ一つ、金利がどの程度なのか気にすることだ。
先程も述べたため理解しているだろうが、どの車ローンでも基本的には審査に通りやすく問題ないことが多い。
そのためお得度を考えた場合には金利だけに注目しておくのがベストなのだ。
そう聞くと、メリットとデメリットを見る限り「ディーラーではなく銀行の方が良い」と感じてしまいそうだが、必ずしもそうとは限らない。
というのもディーラーのローンは、タイミングによっては金利キャンペーンなどを実施しており、結果的に超低金利でローンを組むことも可能だからだ。
実際に筆者自身、他社の金利キャンペーンで「0.01%」や「0%」といったケースを見たことがある。
そのため「銀行ローンの方がお得だが、ディーラーローンにも一応目を向けておくべき」ということを覚えておいてほしい。
とはいえそもそも論にはなるが、「現金一括で購入したほうがお得なのではないか」と思わないだろうか。
その点については次章にて説明していこう。
3.そもそも現金一括で購入したほうがお得なのでは?
現金一括で購入する場合、金利負担がない分「ローンよりもお得」ということができる。しかしそれは「車の購入代金分を支払っても、家計の予算に響かない」という人だけだ。
車の購入資金は一般的に200~300万円程度が必要になるのだが、それだけの金額が一気に家計からなくなってしまうことは、大きなリスクになる。
例えば
- 事故でしばらく働けなくなった
- 物損をしてしまい、損害賠償をしなければならなくなった
- 子供の入学費用を工面しなければならない
など、誰しもがこのようなリスクを背負うことになる可能性はある。
そして仮に一括購入をしてしまったことによりお金が無くなったとき、生活資金の融資を銀行などに求めると「車のローンよりも高金利な融資」がされる。
そのためリスクを考えた時、資金的に余裕がない場合には積極的に車のローンは活用すべきといえるのだ。
とはいえ心配なのは、実際にローンの審査に通るかどうかだろう。
そこで次章では、ローンの審査に通過するためにすべきことについて、簡単に紹介していこう。
4.ローンの審査に通過するためにすべき2つのこと
ローンの審査をされる際、金融機関が見る部分は下記の2つだ。
- 【絶対条件】継続して返済する能力があるか
- 【追加条件】仮に返済不能となった時に、肩代わりできる人はいるか
例えば普通の会社員であり、一定の収入が継続して認められる場合には絶対条件をクリアすることができると判断されることが多い。
そのため学生や主婦、借金がいくらかある場合には、そのまま通過することは難しいといえる。
その場合に条件が追加され、万が一の事態になったとしても確実にお金の回収ができるようになっているのだ。
とはいえ車の購入をするとき、購入予定の車がある程度の「担保」となるため、保証人も「2人必要」や「住宅を担保に」という、大げさな追加条件となることはほとんどない。
さらにいうと、銀行から「頭金を入れてくれれば貸します」と言われることもあるが、これは単純に「実質的な融資金額の引き下げ」であるため、頭金の効果はあまり関係ないと思ってほしい。
- 継続した一定の収入の証明→サラリーマンの多くはこれだけでクリア
- 一定の収入が証明できない場合は保証人を立てる→主婦や学生、借金のある人
ちなみにこの条件は個人事業主や会社経営者の方でもほとんど同じで、一定の収入を保持しているかどうかが重要であり、直近の3期を見られる。
その部分で赤字などを出している場合には、残念ながら融資が受けられない可能性の方が高くなってしまうので注意が必要だ。
以上の説明から、車のローンの審査は「基本的には自分でも通りそう」ということは分かっただろう。
ただしローンで車の購入をする場合、実際にどの程度の価格の車を購入すると、どの程度の支払金額になるのか気になるのではないだろうか。
そのシミュレーション結果については、次章にて紹介していく。
4.ローンで車の購入をするシミュレーション一覧
車のローンによるシミュレーション結果は下記の通りだ。
借入額(万円) | 返済期間と月々の返済額(円) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
12か月 | 24か月 | 36か月 | 48か月 | 60か月 | 72か月 | 84か月 | |
200 | 168,841 | 85,432 | 57,635 | 43,740 | 35,406 | 29,853 | 25,889 |
300 | 253,261 | 128,148 | 86,452 | 65,610 | 53,109 | 44,780 | 38,833 |
400 | 337,682 | 170,865 | 115,270 | 87,480 | 70,813 | 59,706 | 51,778 |
500 | 422,103 | 213,581 | 144,087 | 109,350 | 88,516 | 74,633 | 64,723 |
単純な試算結果としてはこのようになったが、5年(60か月)払いの場合には、月々おおむね3万~6万円程度支払えば問題ないということが分かる。
またあなたがサラリーマンであり、ボーナスの見込みがある場合にはボーナス払いを設定することによって、より月々の支払額を抑えることも可能だ。
さらに言うと、一括購入をせずに「頭金だけを少しだけ入れる」という方法も、月々の支払額を抑える効果がある。
そのためこの試算結果はあくまで参考にしておき、実際には頭金やボーナス払いによって調整できると思っておいてほしい。
また今回は2.4%という金利で試算しているが、マイカーローンは多くの金融機関で借り替えを可能としている。
そして2.4%以下の金融機関もあるため、実は「よりお得な金利で借り替えて、余分な金利支払いをせずに済む」ということができるのだ。
手続き方法はさまざまであるが、基本的には「借り換え先の金融機関の担当者が進めてくれる」と思っても問題ないため、安心してほしい。
また次章では、筆者がオススメする2つのマイカーローンについて紹介していこう。
5.筆者オススメのマイカーローンは2つ
筆者がオススメするマイカーローンは、下記の2つだ。
- 三菱UFJ銀行のマイカーローン
- 損保ジャパン日本興亜のマイカーローン
それぞれのマイカーローンについては下記に比較表を作成して載せておいたのでご覧いただきたい。
ローン会社 | 金利 | 最低借入期間 | 最長借入期間 | 最低借入金額(万円) | 最高借入金額(万円) | その他の特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|
三菱UFJ銀行のマイカーローン | 2.975※変動金利 | 6か月 | 10年(120か月) | 50 | 1,000 | ・事前審査回答は最短で即日 ・繰り上げ返済の手数料無料 ・借り替えもOK |
損保ジャパン日本興亜のマイカーローン | 1.95~2.85% (固定) | 6か月 | 10年(120か月) | 20 | 1,000 | ・固定金利のため不安が解消される ・土日祝日も審査してくれる |
※2024年11月現在の比較結果
ご覧になると分かる通り、それぞれ金利は「非常に低いとは言えないが、決して高くない」ということができる。
そして共に大手企業によるマイカーローンであるため、安心感は抜群であるため心配する必要はない。
また金融機関としても大手であるため、ここで審査に通れば「ほとんどの金融機関で車のローンの審査は通る」と言っても過言ではないのだ。
そのためぜひ一度、上記したマイカーローンは一度申し込むべきだといえるだろう。
以上がオススメのマイカーローンに関する紹介だったが、車のローンにばかり注目しても仕方がない。
というのも「そもそもお得な車を探すこと」こそ、非常に重要だからだ。
そこで最後にお得な車を探す方法について、プロから紹介しておこう。
6.新車同然の車が見つかるオススメな方法
お得な車を探すことは、実は非常に簡単である。
というのも「 ズバット車販売 」というサービスを利用するだけで、あなたの希望する価格などの条件に合致した車を紹介してくれるのだ。
またズバット車販売では一般的には中古車市場に出回ることの少ない「試乗車落ち」や「新古車」の紹介もしてくれるため、新車とほとんど変わらない状態のお得な車を紹介してもらうこともできる。
さらに利用方法に関しても
- 希望車種
- おおよその年式
- おおよその予算感
- 車両相談に必要な氏名などの個人情報
などを入力するだけであるため、簡単に問い合わせをすることができるのだ。
また、備考欄があるので、ここに下記のように入力することで新車とほぼ変わらない非公開車両を紹介してもらえる。
新車同然、もしくは非常に状態の良い車を安く買いたいという場合には、この方法で「 ズバット車販売 」に問い合わせをすることがオススメなのだ。
そのためぜひ一度、利用して提案してもらうことをオススメする。
7.まとめ
以上、車のローンに関する解説を終了するが、最後に当ページの内容をまとめておこう。
- 車のローンは総額でみると「損」だが、リスク等を考えると「お得」である
- 車のローンには大きく分けて3種類あるが、残クレだけは損しかないためオススメしない
- ローンは金利に注意すべきで、銀行だけではなくディーラーのキャンペーンも意識すべき
- 車探しは「 ズバット車販売 」を使うことで、あなたの条件に合った車が見つかる